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.30カービン弾(30カービンだん、.30 Carbine、7.62×33mm)は、1940年代に設計された小銃用実包である。小型自動小銃M1カービンの18インチ(458 mm)銃身からの発射を想定して設計された。 ==歴史== 第二次世界大戦直前、アメリカ陸軍は軽小銃(light rifle)の開発計画を開始した。この計画では支援兵科や後方地域部隊の戦力向上を目的としており、当時それらの兵科・部隊で標準的に使用されていたM1911A1ピストルよりも高い火力と精度を備え、またM1ガーランド小銃やトンプソン短機関銃よりも軽量である事が求められた。この要望を踏まえた軽小銃の開発と並行して、ウィンチェスター社によって開発されたのが.30カービン弾である。原型は(.32 SL)と呼ばれる1906年にウィンチェスターM1905小銃向けに開発された旧式の無起縁型弾薬であり、.30カービン弾はこれを.30口径に設計しなおしたものであった〔Barnes, Frank C., ''Cartridges of the World'', DBI Books, 1975, 1989.〕。一方で科学の進歩も手伝い、発射薬はより先進的なものが使用された。直線的な形状の薬莢や丸みのある弾頭など、外見は拳銃弾に近い特徴を備えている。 当初、ウィンチェスター社は弾薬の開発のみを担当しており、軽小銃そのものは他の企業や個人の設計者によるいくつかの設計案が陸軍に提出されていた。しかしいずれの設計案も、5ポンド以下という目標重量をクリアする事が出来なかった。そこで陸軍のルネ・スタッドラー少佐(Rene Studler)は、.30-06弾を使用するウィンチェスターM2小銃をスケールダウンして.30カービン弾向けの小銃を開発することは出来ないかとウィンチェスター社に持ちかけたのである〔Larry Ruth, ''M1 Carbine: Design, Development & Production'', (The Gun Room Press, 1979, ISBN 978-0-87947-023-4〕。この設計にはジョナサン・ブローニング技師および技師が関与した。 こうして開発されたM1カービンは、重量があり嵩張るM1ガーランド小銃に代えて歩兵将校、機関銃手、砲兵、戦車兵、空挺隊員、および通信要員などによって装備された。この銃と弾薬は標準的な歩兵装備として置換される事を意図していなかったが、現在では後のアサルトライフルおよびアサルトライフル用小口径弾に近い設計思想の元で設計されたと考えられている。派生型の1つであるM2カービンは、セミ/フルオートを切り替えられるセレクティブ・ファイア機構と30発着脱式弾倉を備えた改良型で、第二次世界大戦後期に投入された。M1およびM2カービンは朝鮮戦争中にも広く使用された。朝鮮戦争後の米陸軍による評価報告では、M1およびM2カービンに対して寒冷地運用におけるいくつかの欠点が報告された他、厚着をした北朝鮮および中国の兵士を至近距離で銃撃しても足止め出来なかった旨の苦情が複数寄せられた〔S.L.A. Marshall, ''Commentary on Infantry and Weapons in Korea 1950–51'', 1st Report ORO-R-13 of 27 October 1951, Project Doughboy , Operations Research Office (ORO), U.S. Army (1951)〕。しかし、その後もM1およびM2カービンの使用は続けられ、ベトナム戦争では偵察部隊(LRRP)や軍事顧問などのアメリカ軍人が標準火器の代用品として使用した。また.30カービン弾の威力不足に関する報告はその後も繰り返し寄せられた。 1994年、イスラエルではMagalと呼ばれる新型小銃を採用した。これはガリルMARを原型として.30カービン弾の仕様に対応させたものだった。しかし過熱などの不具合に関する報告が相次いだ為、2001年には採用が撤回された。M1カービンは、未だにイスラエル警察および市民警備隊によって運用されているという。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「.30カービン弾」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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