|
成人呼吸窮迫症候群 =========================== 「 ARDS 」を含む部分一致用語の検索リンク〔 1 件 〕 ・ARDS : 成人呼吸窮迫症候群
ARDS : Adult Rrespiratory Distress Syndrome ===========================
急性呼吸窮迫症候群 (きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん、, ARDS) とは、臨床的に重症の状態の患者に突然起こる呼吸不全の一種である。特に発症前後の状態を急性肺傷害 (, ALI) と言う。本項では二つをまとめて述べる。 かつては成人呼吸促迫症候群 () と呼ばれた。これは超未熟児における新生児呼吸窮迫症候群(RDS)と区別するためであるが、本症は未成年にも見られるため、現在はこの呼称は使われない。 == 病因 == 敗血症、大量輸血、重症肺炎、胸部外傷、肺塞栓、人工呼吸、純酸素吸入、急性膵炎等で重症の患者に突然起こる。その初期段階における病態生理は様々であるが、最終的に発症に至る経緯及び治療法は同じである。 ;敗血症 :原因としては最も多い。ことにアルコール多飲歴がある場合、死亡率は倍にもなる。グルタチオンの欠乏が酸素による傷害を助長し、また白血球の肺組織への接着も亢進していると考えられている。 ;外傷 :両側の肺挫傷あるいは多臓器不全を来たすような外傷。APACHE IIスコアが16点以上の場合は9点未満に比べて本症発症のリスクが2.5倍、20点以上の場合は3倍になるという疫学調査結果がある。 ;大量輸血 :輸血によるALI (TRALI: ) の発症率は、輸血の総量よりもバッグ数に比例する(同じ単位数でも小口のバッグに分かれていると発症率が上がる)。献血者が経産婦であった場合や、輸血製剤の加温・照射後時間が経ってから輸注した場合などには発症率が上昇する。白血球除去処理をしていない場合にはさらに発症の危険が高い。また、ALIを発症後にさらに赤血球を輸注すると重症化しやすい〔Netzer G, Shah CV, Iwashyna TJ, Lanken PN, Finkel B, Fuchs B, Guo W, Christie JD. "Association of RBC transfusion with mortality in patients with acute lung injury." ''Chest.'' 2007 Oct;132(4):1116-23. Epub 2007 May 15. PMID 17505028〕。 心不全による肺水腫に合併することもあるが、本症はより重症であり、明確に鑑別されなければならない。 こうした背景のある患者においては、腫瘍壊死因子やインターロイキン1・6・8が血流中に放出されている。肺は体内を循環する血液が必ず通る臓器であるため、その影響を受けやすい。好中球が誘引され、肺組織において活性酸素やプロテアーゼを放出して肺胞毛細血管上皮や肺胞上皮組織を傷害する。肺に定着した好中球はさらにG-CSFやGM-CSFを放出し、局所の炎症反応を増幅する。こうして血管透過性が増し、間質さらには肺胞内まで血性の滲出液で満たされてしまう。 換気血流不均衡と死腔の増大により、CO2の呼出には通常より多くの換気が必要となる。しかし初期には滲出液で満たされた肺胞が、そして後期には線維化した肺がコンプライアンスの低下(肺の硬化)をもたらし、高い圧での人工呼吸が必要となる。 肺胞の毛細血管は換気が悪いと収縮し、換気の良い部位の血流を増大させる作用がある。しかし本症においては、肺の多くの部位で換気が悪くなるため、それらの部位の毛細血管が収縮し、肺高血圧症をもたらす。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「急性呼吸窮迫症候群」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Acute respiratory distress syndrome 」があります。 スポンサード リンク
|