翻訳と辞書 |
AZON
AZONとはアメリカ合衆国が第二次世界大戦中に開発、投入した誘導爆弾である。AZONの由来は「Azimuth only(方位のみ)」という秘匿名称に基づく。 == 経緯 == 1942年、米国防研究委員会(NDRC)では誘導爆弾の開発を進めていた。この時点では投下された爆弾の回転の抑制が不完全であることから誘導が不正確だった。こうした欠点を踏まえ、1943年5月、AZONが開発された。使用機種はB-17、B-24、B-25、B-26爆撃機、またP-38双発戦闘機である。命中比較実験の結果、無誘導爆弾とAZONとの精度は29対1であることが確認された〔廣田厚司『AZON誘導爆弾』50、51頁〕。 この当時、ドイツでも各種誘導爆弾が開発されており、イギリスに本拠を置くアメリカ陸軍航空軍第8司令部ではこうした兵器の情報を分析していた。1940年開発のHs 293は1943年8月にイギリスのスループ艦を撃沈、また1938年開発のフリッツXは1943年9月8日の投入でイタリア海軍の戦艦「ローマ」を撃沈している。このような動向から第8航空軍は国防省に対し、誘導兵器の開発を強く要求した〔廣田厚司『AZON誘導爆弾』50頁〕。 1943年9月末、実戦投入の要求にこたえるものとして、国防省はランド・コーポレーションにAZONの開発促進を要請した。同社は無線操縦の戦車・航空機を用いて誘導試験を進め、1944年初頭に誘導システムを完成させた。カラーフィルムによるAZONと従来の無誘導爆弾との比較説明を受けた高級将官のうち、第8航空軍司令官ジェームス・H・ドーリトル中将はこの兵器が橋梁と鉄道の精密爆撃に適すると考え、軍への即時配備を求めた。1944年3月から4月にかけ、AZONは2,000セットが発注された。第8航空軍ではさらに緊急のものとして100から可能ならば300セットを要求し、ランド・コーポレーションは生産を加速させた〔廣田厚司『AZON誘導爆弾』51頁〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「AZON」の詳細全文を読む
スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース |
Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.
|
|