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Eee PC(イーピーシー)とは、台湾のアスーステック・コンピュータ (ASUS) が製造・販売する低価格ミニノートパソコンの製品名、およびブランドである。読み方は前記の通り「イーピーシー」であり〔COMPUTEX TAIPEIで登場したノートパソコン「Eee PC」を発売決定 〕、ネット上で「イーイーイーピーシー」と表記されている記述も見られるが誤りである。 名前のEeeは当初「Easy to learn, Easy to work, Easy to play.」を表すものとされていた。後継製品では「Easy,Excellent,Exciting」に変化している。 2007年10月から台湾、11月からは米国で販売を開始した。日本では2008年1月25日に販売を開始した。 == 特徴 == ASUSによって設計・製造された、A5サイズの低価格ミニノート・サブノートパソコンである。初期の製品では、コストと消費電力を抑えるためCPUやチップセットには既存のUMPC用プラットフォームを流用し、さらにストレージにもHDDやSSDモジュール等は採用せず、システム基板上にフラッシュメモリ素子を直接搭載する等の思い切った構成を採用している点が特徴である。 コストを抑える一方で、そのハードウェア構成は通常のPC/AT互換アーキテクチャを採用したノートパソコンそのものである。同カテゴリーの製品ではこれまで、IA(x86または互換プロセッサ)やPC/AT互換機とは異なる独自のアーキテクチャを採用したり、PC/AT互換アーキテクチャであっても互換メーカー製の低電力プラットフォームの採用が主流であり、現在我々が日常的に利用している一般的なパソコン用のOSやアプリケーションの実行に際して互換性や相性・パフォーマンス等の問題に煩わされがちだった。対して、Eee PCでは基幹部品にインテル社の製品を採用した堅実な構成で固め、これらの問題を概ね払拭している。このように、新たな市場の掘り起こしも念頭に設計された新商品でありながら、ノートPCとしては手堅い構成である点も特徴の一つと言える。 Eee PCは当初、近年その市場に注目が集まり、製品化や市場開拓の模索が続く発展途上国や、新興工業国・先進国の低所得層向けに、デジタルディバイドの解消等を目的とした低価格なPCやネットワークアプライアンス等の一環として位置づけることも可能な製品とされていた。これらの製品が登場した背景には、100USドル台で販売可能なPCの設計・製造を計画し、$199以下での供給を実現したOLPC・XOの影響を抜きに語ることはできない。 しかしこれらの製品と比較すると、Eee PCは最廉価モデルでも$299からと率直に言ってかなり高価であり、発売から半年余りで累計150万台を売り上げたとされる販売実績も、より高機能・高容量で応用の容易な、有り体に言えばWindows XPの動作が現実的でより高価な上位モデルが主体である。さらに、その販路も当初謳われた発展途上国や新興工業国・先進国の低所得層ではなく、大半が北米やEU、東アジアの先進国や新興工業国の、既にメインとなるPCを所有済みのユーザーの二台目以降や、広帯域のネットワークインフラが充実したこれらの市場でPCを高度な用途に用いる事のないライトユーザーの一台目としての用途であり、メーカーや市場の当初の観測とはややずれた方向で新たな市場を掘り起こすこととなった。 このような需要を汲んだ結果、ASUSでは第二世代の製品群から市場戦略を修正し、後継製品ではEee PCの独自ブランド化と共に性能・容量の向上を図り、製品の単価をさらに上昇させている。その一方で、コモディティ化の進むPC市場をさらに推し進め、$500以下で現行のオペレーティングシステムやアプリケーションを十分に実行可能な性能・容量をもつ安価なミニノートPC(ULPC/ULCPC:Ultra Low-cost PC、ネットブックとも)という製品カテゴリーを開拓した嚆矢として位置づけられつつある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「Eee PC」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Asus Eee PC 」があります。 スポンサード リンク
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