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IXV(Intermediate eXperimental Vehicle)は欧州宇宙機関(ESA)の大気圏再突入実験機。2015年2月11日にヴェガロケットによって打ち上げられ、弾道飛行によって低軌道からの地球帰還をシミュレートする飛行試験を実施し、洋上での機体回収にも成功した。名称の「Intermediate」は、この実験機で実証する技術要素が、再使用型宇宙往還機の実現に至るロードマップの中間段階にあることを意味する〔"2nd ixv industrial workshop" ESA "IXV Mission"〕。 == 概要 == 欧州の主力打ち上げロケットであるアリアン5の後継機、および将来的な宇宙往還機の実現を目指して要素技術の開発を進めるため、ESAは2004年より「将来輸送系準備プログラム(Future Launchers Preparatory Program:FLPP)」を開始した。IXVはその一環として、フランス国立宇宙研究センター(CNES)のPRE-Xなど過去の研究を引き継ぎ、再使用型宇宙往還機に必要な大気圏突入時の熱保護と空力制御技術を確立するためデータ収集を行う。 IXV再突入体は重量2トンの無人機で、外寸は全長5m、全幅2.2m、全高1.5m。翼のない揚抗比0.7のリフティングボディの機体後部に、姿勢制御に使用する2枚のボディフラップと推力400Nのスラスター4基を持つ。機体先端と下面はマッハ20を超える大気圏突入時の空力加熱に晒されるため、1,900°Cの高温に耐える耐熱繊維強化セラミック複合材で被覆される。 IXVの初期設計はNGL Prime SpA(EADSとフィンメッカニカの合弁企業)によって行われた。最終設計と製造の主契約企業はタレス・アレーニア・スペース・イタリアに移り、2009年のパリ航空ショーにおいてESAからの受注契約が発表された〔"ESA and Thales Alenia Space establish agreement for development of Intermediate eXperimental Vehicle (IXV)" ESA〕。 セラミック複合材を使用した耐熱シールドとボディフラップの製作はドイツのMT Aerospace社が担当する〔"MT Aerospace to Manufacture Elements of ESA’s IXV Reentry Vehicle" Parabolic Arc〕。 2012年6月23日、アメリカ合衆国アリゾナ州のユマ実験場にて輸送機で高度5,700mからIXVのプロトタイプを空中投下するパラシュート降下テストが行われた〔"IXV parachute drop test" ESA TV(動画)〕。 さらに2013年6月19日には、サルディニア島東方の地中海上空3,000mから原寸大プロトタイプを投下する着水テストが実施された 〔"Safe splashdown for Intermediate eXperimental Vehicle" ESA〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「IXV」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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