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LCGT(、愛称かぐら ())は、日本が建設中の重力波望遠鏡である。岐阜県の神岡鉱山内にスーパーカミオカンデやカムランド、XMASSと同じ地下に建設され、レーザー干渉計の基線長は3,000mである〔公式サイト 〕。特徴は低い地面振動、長い基線長、鏡の冷却である。 平成22年度「最先端研究基盤事業」(文部科学省)に選定されている。愛称は、神岡の「KA」と重力波(Gravitational wave)の「GRA」を合わせている〔。 == 概要 == アルベルト・アインシュタインが提唱した重力波を観測で捉えようとする試みの中で、現在はレーザー干渉計を用いる手法が主流となっている。日本では、1999年に基線長300mのTAMA300が稼動を始めたが、これは天の川銀河内で中性子星が衝突した場合に生じる重力波を捉える感度しか持たず、その確率は数十万年に1度程度と考えられる。そのため、東京大学宇宙線研究所(Institute for Cosmic Ray Research (ICRR))の重力波グループが中心となって高い感度を持つ観測装置が構想された〔。 重力波による空間の伸び縮みを測定するレーザー干渉計では、ノイズを除く事が重要になる。新しい設備は、7億光年の範囲で起こる中性子星衝突を感知できるよう構想され、そのために地面振動の影響が少ない神岡鉱山が選ばれた。さらに高さ14mの振り子構造を持たせて外部振動の影響を減らした反射鏡を、熱による分子レベルの運動を極力除くために約-253℃まで冷却する装置を4つ連結させる。このような改良によってKAGRAは稼動から1年以内に重力波を観測できると期待されている〔。 KAGRAは2014年3月末に総延長7kmを越えるトンネル掘削工事が完成した。2016年3月-4月には稼働実験を実施、本格観測は2017年後半に始める予定 。 KAGRAは世界最高精度の重力波望遠鏡となる。現在世界では、アメリカのLIGOとイタリアのVIRGOがそれぞれ Advanced LIGO と Advanced VIRGO 計画で観測精度をKAGRAと同等に引き上げる改良を進めている。2016年2月には、LIGOグループは、ブラックホール連星からの重力波をはじめて捉えることに成功した、と発表した。しかし、レーザー干渉計による測定では、少なくとも3台以上の干渉計の同時観測がないと、どの位置から重力波が来たのかは特定できない。これら複数の設備が協調すれば、到達時間の差から重力波源天体の方向を割り出すことができる〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「KAGRA」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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