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共通祖先(きょうつうそせん、Common descent)とは生物進化をさかのぼることで生まれた『全生物の祖先型生命』の概念を表す語である。共通祖先の存在は概念的には古くから提唱されていたものの科学的にその存在が提唱されたのは1987年以降であり、そこにはカール・ウーズによる古細菌の発見が重要な役割を演じている。本記事は『生命の起源』と重複するが、生命の起源では論じられない生命誕生後の進化やそのあり方について解説する。なお、化学進化後の原始生命体については当該記事を参照。 別名としては様々な名前が多くの学者によって提唱されており、その全てのニュアンスが微妙に異なっているために後述する。 == 共通祖先という概念の科学的発見 == 1977年、カール・ウーズらによって原核生物が古細菌および真正細菌からなることが提唱され、後々の研究から3ドメインの概念は統一的見解が得られているといっても過言ではない。しかしそれ以前の生物学では、生物とは原核生物(細菌のみ)と真核生物に分けられていた。生物進化の大原則として *単純な生物から複雑な生物へ進化する というものがあるが、これに基づいて *原核生物から真核生物が生まれた *したがって原核生物は真核生物の祖先である という論理が自然に成立した。しかし、原核細胞と真核細胞は極めて異なっており、このことを論理的に証明することは出来ていなかった。その後、古細菌が発見され、それを含めた無根系統樹の作成により系統樹が一点に向かって収斂している『共通祖先』の概念が明らかになった。 3ドメイン系統樹をはじめに作成したのはウーズおよびオルセンである。系統樹に共通の根をつけるに当ってはアウトグループと言う完全に系統の異なる比較対照生物が必要である。しかし、全生物を対象にした系統樹ではアウトグループとなる生物は存在せず、系統樹が一点に向かって収斂する無根系統樹のみしか筆記することは出来ない。しかし1987年に彼らの描いた系統樹は、3ドメインの存在を説明するものであり、なにより『最後の共通の祖先』の存在を示すものだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「共通祖先」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Common descent 」があります。 スポンサード リンク
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