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M1928 ( リダイレクト:トンプソン・サブマシンガン ) : ウィキペディア日本語版
トンプソン・サブマシンガン

トンプソン・サブマシンガン(Thompson submachine gun)は、アメリカ合衆国で開発された短機関銃である。トムソン銃シカゴ・タイプライターといった通称を持つことで知られるが、本項ではトミーガンに統一して表記する。「サブマシンガン」という言葉を初めて用いた製品としても知られる。
トミーガンは、禁酒法時代のアメリカ合衆国内において警察ギャングの双方に用いられたことで有名になった。1919年から累計170万挺以上が生産され、今日でも民生用モデルの製造が続けられている。頑丈な構造を持ち、耐久性と信頼性に優れ、5kg近い重量のおかげでフルオート射撃を制御しやすい特性から、世界各国で広く用いられた。
== 構造 ==
トミーガンを特徴付けているのは、主要部品の多くが角を丸めた直角で構成されている点で、円形を基本に構成される事が多かった欧州の製品とは一線を画したデザインとなっている。これはトミーガンは鋼鉄ブロックからの切削加工で製造され、切削作業の大部分が平フライス加工だけで行えるよう考慮したためである。この結果、大規模な専用生産施設を持たなくても、外注工場の利用が容易で効率よく製作できるメリットがあり、中国ベトナムなど工業水準の低い諸国でも容易にコピー生産が可能となった。
トミーガンは上下2つのレシーバ(機関部)によって構成されており、銃身は上部レシーバ先端にネジで固定され、弾倉が接触する部分はドラム型弾倉を装着するため大きく切り欠かれた形状となっているほか、内部はフライス加工によって大きくえぐられ、この空洞内をボルトが前後する。
弾倉は上部まで露出しているため、野戦では泥などが付着しやすいが、逆に拭い去る事も簡単な構造となっている。箱型弾倉を装填する際には下側から、ドラム型弾倉を装填する際には横からスライドさせて装着し、どちらもレール溝によって支持されている。M1/M1A1(後述)では横溝が省略されてドラム型弾倉が使用できないが、上部レシーバの切り欠きはそのままなので、後から横溝を刻むだけで使用できるようになる。
下部レシーバは複雑な形状ながら、機能的には上部レシーバの下部を塞ぎ、トリガーメカを保持するだけの単純な構造である。上下のレシーバはレール溝によって嵌合し、分解する際に上部レシーバ後端にあるストッパを押し込んで下部レシーバを引き抜く形で分離できる。
セミ/フルオートを切り替えるセレクターと、セフティ(安全装置)は別々のレバー状部品として存在しているが、弾倉を固定しているマガジン・キャッチを含めて、位置は全てグリップ上部左側面にあるため、右利きの射手であれば、グリップから手を離さず全て右手親指で操作する事が可能である。
一般的に「トミーガンは生産性が悪かった」と認識されているが、トミーガンの省力化が図られた1940年代にはM1/M1A1のように、単純な板金曲げ加工とスポット溶接に、バレル・カラーなどの切削部品を組み合わせるだけで、同様の外見構造を強度を落とさず低コストで実現できたため、切削加工を前提とした当時の基準ではことさらに生産性の悪い構造だったとは言えない。しかし第二次世界大戦中には全軍への普及を図るべく、MP40ステン短機関銃などに代表される、より一層と生産性が高い短機関銃が要求され、その結果としてプレス加工主体のM3グリースガンの開発が行われた。
また、携行性をあまり重視しない長く重い銃ではあったが、ちゃんと構えて保持すればその重さが発砲の反動を相殺し、良好な命中精度を発揮した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「トンプソン・サブマシンガン」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Thompson submachine gun 」があります。




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