|
イングラムM10()は、アメリカ合衆国で設計された短機関銃である。MAC-10とも呼ばれる。小型であるためマシンピストルに分類されることもある。 == 概要 == 第二次世界大戦後、ゴードン・イングラムが銃器設計者として最初に手がけた短機関銃はM5と呼ばれるモデルだった。この名称は当時アメリカ陸軍で制式採用されていたM3短機関銃および将来採用されるであろうM4短機関銃に次ぐ製品という意味合いで選ばれたものであり、M1からM4までのモデルは存在しない。その後、M5の設計を引き継いだM6短機関銃を発表する。続くM7からM9もM6を発展させた設計だった。 1964年、イングラムはアーキアーガ・アームズ社(Erquiaga Arms Company)在籍中にM10と名付けた新型短機関銃の設計を行った。M9までのモデルとは一線を画す単純さを重視した設計で、いわゆる第三世界での販売を想定したモデルだった。最初期の試作モデルはフルオート射撃のみ可能な9x19mmパラベラム弾仕様で、イギリス製ステン短機関銃と弾倉の互換性があった。しかし、この時点では注文もなく追加生産も行われなかった。1969年、イングラムはアメリカ政府向けの官給用サプレッサーの設計・製造を手掛ける社に移る。同社のオーナーだったは元OSSエージェントで、彼は小型軽量なM10にサプレッサーを取り付ければ理想的な特殊作戦用短機関銃になりうると考えた〔。こうしてM10の設計には改良が加えられ、サプレッサーを取り付けた.45ACP弾仕様のモデルが特殊作戦用短機関銃としてベトナムの前線で試験運用された。後に.380ACP弾を亜音速化した消音効果の高い銃弾が開発され、これを用いる小型モデルとしてM11が設計された。1970年にはイングラムとウェーベルが共同創業者となり社(MAC)が設立されている〔。MAC-10の名はこの時の社名に由来する。 1974年、映画『マックQ』の劇中でジョン・ウェインがサプレッサー付きのM10を使用した。アメリカにおいては、この映画によってM10の存在が広く認知されることとなった〔。 1975年にMAC社が倒産すると、競売に掛けられたMAC社の資産を購入した元従業員らによってRPB インダストリーズ社(RPB Industries Inc.)が設立され、M10の販売および生産はここで続けられた。しかし、1982年にはRPB社も倒産する。1983年、SWD社(SWD Inc.)がM10に関する一連の権利を購入した。1986年には旧MAC社の技師だったジェームズ・レザーウッド(James M. Leatherwood)がM10の製造権を購入して再びMACの名を冠したメーカーを立ち上げたものの、1980年代後半に倒産し、残されていた部品などはSWD社によって再購入されている〔。その他にもバルカン・アーマメント(Vulcan Armament)やなど、いくつかの企業で現在までコピー生産やクローン設計が行われている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イングラムM10」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 MAC-10 」があります。 スポンサード リンク
|