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MZ-2500(エムゼットにせんごひゃく)とは、シャープのMZシリーズに属する1985年に発売された8ビットパーソナルコンピュータである。ニックネームは、「スーパーMZ」(Super MZ)。MZ-2000/2200の後継機であると同時に、MZ-80B系の直系後継機である。前の世代に当たる、MZ-2000から、実に3年振りのリニューアルにふさわしい大幅な機能の追加と、高速化が行われた機種ではあるが、既に市場は固定されつつあり、そのシェアを覆すには至らなかった。独自アーキテクチャを持つ8ビットMZシリーズ全体の最終機種でもあり、6809系のFM77AVや、MB-S1と並び、最強の8ビット機と称されることがある機種の一つ。雑誌等では不死鳥(フェニックス)とも呼ばれた。後継機は、互換モードと新規開発の16ビットモードを持つMZ-2861。開発コードはLEYで回路図等に表記が見られる。 ==概要== *クリーン設計 *:従来機種と同じく、本体にはシステムプログラム自体は持たない。但し、旧来の機種がIPLのみしか内蔵していなかったのに対し、高機能化したハードウェアを制御するプログラムがIOCSとして内蔵されており、何度かの改修が行われている。 *:そのファンクションの一つには特定の位置をコールできる物があるため、機能を基準にコールせずに、ROM内のモジュールのアドレスを指定し、直接呼んでしてしまうアプリケーションについては非互換の要素をはらんでいる。 *2種類のBASICを添付 *:従来のMZユーザが馴染んだ命令セットのBASIC-S25と既に当時のBASIC環境としては覇権を握りつつあった、マイクロソフト系の命令セットを持つBASIC-M25が用意された。 *:従来機種、並びに、同社別部署別シリーズで採用されたHu-BASICでは無く、別実装のBASICになった。 *CPUクロックの向上 *:Z80Aを搭載し、ノーウェイト、4MHzで動作していた旧機種に対し、MZ-2500では、Z80Bを搭載し一部を除きM1サイクル時に1ウェイト掛かる6MHz動作となった。 *メモリ管理の強化 *:旧機種が、テキスト、グラフィックスVRAMとのウィンドウを開くため、特定のアドレスをバンク切り換えで他の空間と割り当てていただけなのに対し、本機では、MB-S1等と同じく、メモリコントローラを搭載し、8分割したメモリ空間に対し、8KB単位で任意の空間を割り当てられるように設計された。 *:この事により、メインメモリを256KB、グラフィックスVRAMを128KB管理できるようになったほか、自由な割り当てが可能になったことにより、他の機種と同じような配置でビデオメモリをマッピングすることでソフトウェアの移植についてもしやすくなっていた。 *:設計上のアドレス空間は512KB。この空間に各種のROM並びに、RAMが配置される。 *アルゴキーの搭載 *:上記のメモリマッピングの自由度、容量の増大により、BASICにはアルゴ機能と呼ばれる機能が追加された。 *:シリーズのシンボルマークであるアルゴー船のマークが付いたキーが用意され、そこには内蔵されたアプリケーションを呼び出す機能が割り当てられている。 *:尚、本来のマークであるアルゴー船は「Argo」が正しいが、ユーティリティー中でのスペルは、「Algorithm」から来た「Algo」の表記になっている。 *:常駐プログラムに近く、ロードされたプログラムとは別に、キー操作によって標準では電卓などを起動することが可能であった。 *CRTCの大幅な強化 *:従来機種では、ALU一つ持たずプレーンごとにメモリ空間にマッピングされたVRAMにCPUが直接書き込む仕様だった表示周りが、同機では大幅に強化された。 *:発色数は320x200モードで256色、最大640x400モードで16色の出力に対応している。仕様としては規定されていないが、カスタムチップの設計仕様から、増設ビデオメモリを搭載する事で、320x400の解像度で出力することも可能である。 *:また、複数プレーンに対し、同時書き込みがサポートされた事により、プレーンを跨いだ色でも高速な描画か可能になっている。 *:パレットボードは設計上後から追加された形跡があり、16色の出力時に高速なメモリを利用して回路に割り込む形でパレットとして4096色中、指定の値を出力するように設計されている。また、その実装から、存在をソフトウェア側から判別することができない。 *:それらに加え、PCGを持つことによって、外字の定義、並びに、ゲームにおける背景の合成処理の軽減が行えるようになった。 *:以上の表示機能に加え、テキスト画面は縦方向のスムーススクロール。グラフィックス画面は縦、横方向へのスムーススクロールをサポートしている。 *:但し、256色モードはパックドピクセルではなく、プレーンが重なった形の並びになっているため、表示は兎も角、何かを動かすのには不向きであった。 *:この時代にありながら、サイクルスチールなどの仕掛けが無いため、グラフィックVRAMへのアクセス速度そのものは速いとはいえない。 *:また、グラフィックVRAM上でのプログラムの実行は保証されず、リードモデファイライト時には、2Wait入っている。 *漢字テキストVRAMの搭載。 *:既にPC-9800シリーズや、X1turboでは実装されているため本機が初ではないが、漢字テキストVRAMが搭載されており、表示コードを書き込むのみでJIS第二次水準までのフォントが表示可能である。漢字ROMからフォントイメージをグラフィックとして転送するよりも遥かに処理は軽く、8ビット機でありながら、同価格帯の機種よりも快適な日本語の取り扱いを実現した。 *データレコーダの搭載 *:従来機種と同様、ソフトウェア制御可能なデータレコーダが添付されている。 *:ヘッド自体はステレオになっており、片側のチャンネルをデータレコーダ、もう片方を音声トラックとして利用可能であった。 *:時代は既にフロッピーベースのソフトウェア供給に移行しており、実際には幾つかのソフトウェアが録音された音声を再生する機器として利用した程度にしか活用はされていない。 *:また、後述のとおり、留守番電話として利用した場合、その音声の録音に利用することが可能であった。 *:基本的には旧機種との互換のための搭載であり、MZ-80B/2000モードが無くなった廉価版であるMZ-2520では削除された。 * 通信を意識した設計 *:時代的に「パソコン通信」ではあるものの、シリアルポートの標準装備、並びに、専用モデムフォンが発売され、ターミナルソフトが標準で添付されている。 *:専用機器の組み合わせにより、内蔵データレコーダを留守番電話に利用することが可能になっていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「MZ-2500(エムゼットにせんごひゃく)とは、シャープのMZシリーズに属する1985年に発売された8ビットパーソナルコンピュータである。ニックネームは、「スーパーMZ」(Super MZ)。MZ-2000/2200の後継機であると同時に、MZ-80B系の直系後継機である。前の世代に当たる、MZ-2000から、実に3年振りのリニューアルにふさわしい大幅な機能の追加と、高速化が行われた機種ではあるが、既に市場は固定されつつあり、そのシェアを覆すには至らなかった。独自アーキテクチャを持つ8ビットMZシリーズ全体の最終機種でもあり、6809系のFM77AVや、MB-S1と並び、最強の8ビット機と称されることがある機種の一つ。雑誌等では不死鳥(フェニックス)とも呼ばれた。後継機は、互換モードと新規開発の16ビットモードを持つMZ-2861。開発コードはLEYで回路図等に表記が見られる。==概要==*クリーン設計*:従来機種と同じく、本体にはシステムプログラム自体は持たない。但し、旧来の機種がIPLのみしか内蔵していなかったのに対し、高機能化したハードウェアを制御するプログラムがIOCSとして内蔵されており、何度かの改修が行われている。*:そのファンクションの一つには特定の位置をコールできる物があるため、機能を基準にコールせずに、ROM内のモジュールのアドレスを指定し、直接呼んでしてしまうアプリケーションについては非互換の要素をはらんでいる。*2種類のBASICを添付*:従来のMZユーザが馴染んだ命令セットのBASIC-S25と既に当時のBASIC環境としては覇権を握りつつあった、マイクロソフト系の命令セットを持つBASIC-M25が用意された。*:従来機種、並びに、同社別部署別シリーズで採用されたHu-BASICでは無く、別実装のBASICになった。*CPUクロックの向上*:Z80Aを搭載し、ノーウェイト、4MHzで動作していた旧機種に対し、MZ-2500では、Z80Bを搭載し一部を除きM1サイクル時に1ウェイト掛かる6MHz動作となった。*メモリ管理の強化*:旧機種が、テキスト、グラフィックスVRAMとのウィンドウを開くため、特定のアドレスをバンク切り換えで他の空間と割り当てていただけなのに対し、本機では、MB-S1等と同じく、メモリコントローラを搭載し、8分割したメモリ空間に対し、8KB単位で任意の空間を割り当てられるように設計された。*:この事により、メインメモリを256KB、グラフィックスVRAMを128KB管理できるようになったほか、自由な割り当てが可能になったことにより、他の機種と同じような配置でビデオメモリをマッピングすることでソフトウェアの移植についてもしやすくなっていた。*:設計上のアドレス空間は512KB。この空間に各種のROM並びに、RAMが配置される。*アルゴキーの搭載*:上記のメモリマッピングの自由度、容量の増大により、BASICにはアルゴ機能と呼ばれる機能が追加された。*:シリーズのシンボルマークであるアルゴー船のマークが付いたキーが用意され、そこには内蔵されたアプリケーションを呼び出す機能が割り当てられている。*:尚、本来のマークであるアルゴー船は「Argo」が正しいが、ユーティリティー中でのスペルは、「Algorithm」から来た「Algo」の表記になっている。*:常駐プログラムに近く、ロードされたプログラムとは別に、キー操作によって標準では電卓などを起動することが可能であった。*CRTCの大幅な強化*:従来機種では、ALU一つ持たずプレーンごとにメモリ空間にマッピングされたVRAMにCPUが直接書き込む仕様だった表示周りが、同機では大幅に強化された。*:発色数は320x200モードで256色、最大640x400モードで16色の出力に対応している。仕様としては規定されていないが、カスタムチップの設計仕様から、増設ビデオメモリを搭載する事で、320x400の解像度で出力することも可能である。*:また、複数プレーンに対し、同時書き込みがサポートされた事により、プレーンを跨いだ色でも高速な描画か可能になっている。*:パレットボードは設計上後から追加された形跡があり、16色の出力時に高速なメモリを利用して回路に割り込む形でパレットとして4096色中、指定の値を出力するように設計されている。また、その実装から、存在をソフトウェア側から判別することができない。*:それらに加え、PCGを持つことによって、外字の定義、並びに、ゲームにおける背景の合成処理の軽減が行えるようになった。*:以上の表示機能に加え、テキスト画面は縦方向のスムーススクロール。グラフィックス画面は縦、横方向へのスムーススクロールをサポートしている。*:但し、256色モードはパックドピクセルではなく、プレーンが重なった形の並びになっているため、表示は兎も角、何かを動かすのには不向きであった。*:この時代にありながら、サイクルスチールなどの仕掛けが無いため、グラフィックVRAMへのアクセス速度そのものは速いとはいえない。*:また、グラフィックVRAM上でのプログラムの実行は保証されず、リードモデファイライト時には、2Wait入っている。*漢字テキストVRAMの搭載。*:既にPC-9800シリーズや、X1turboでは実装されているため本機が初ではないが、漢字テキストVRAMが搭載されており、表示コードを書き込むのみでJIS第二次水準までのフォントが表示可能である。漢字ROMからフォントイメージをグラフィックとして転送するよりも遥かに処理は軽く、8ビット機でありながら、同価格帯の機種よりも快適な日本語の取り扱いを実現した。*データレコーダの搭載*:従来機種と同様、ソフトウェア制御可能なデータレコーダが添付されている。*:ヘッド自体はステレオになっており、片側のチャンネルをデータレコーダ、もう片方を音声トラックとして利用可能であった。*:時代は既にフロッピーベースのソフトウェア供給に移行しており、実際には幾つかのソフトウェアが録音された音声を再生する機器として利用した程度にしか活用はされていない。*:また、後述のとおり、留守番電話として利用した場合、その音声の録音に利用することが可能であった。*:基本的には旧機種との互換のための搭載であり、MZ-80B/2000モードが無くなった廉価版であるMZ-2520では削除された。* 通信を意識した設計*:時代的に「パソコン通信」ではあるものの、シリアルポートの標準装備、並びに、専用モデムフォンが発売され、ターミナルソフトが標準で添付されている。*:専用機器の組み合わせにより、内蔵データレコーダを留守番電話に利用することが可能になっていた。」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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