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O157(オーいちごなな)は、O抗原が157番の大腸菌である。一般には特に腸管出血性大腸菌O157:H7(''Escherichia coli'' O157:H7)のことを指す。 腸管出血性かつベロ毒素をもつ病原性を示した菌株が発見された大腸菌のO抗原は、O1、O18、O26、O104、O111、O128など多数あり、O157:H7もその一部である。ただし同一O抗原の大腸菌の全てがこの病原性をもつことはなく多くの場合は極少数である。ただしO157:H7は比較的多くこの病原性を示す。 日本では1996年(平成8年)5月28日に岡山県邑久郡邑久町(現在の瀬戸内市邑久町)の学校給食に起因するO157食中毒事件を、岡山県保健福祉部環境衛生課が発表した際に、マスコミを通じて名称が知られるようになった。 == 細菌像 == この菌はベロ毒素を作り出す。O157 の中にも複数の菌株があるが、1996年大阪府堺市で食中毒事例を発生させた株の遺伝子配列(ゲノム)は宮崎大学の研究グループにより全配列が決定されている〔林哲也:ゲノム解析から見た大腸菌ゲノムの可塑性 環境変異原研究 Vol.27 (2005) No.2 P117-118, 〕。この解析結果によれば、非病原株(K-12)のゲノムサイズ 4.6Mb に対し O-157のゲノムサイズは 5.5Mb である。しかし、4.1 Mb の領域の配列は同一で塩基レベルでは 98.3% の同一性を示している。O157に特異的に存在している領域は、無規則に生じたものでは無く大腸菌以外に由来する外来性DNAで、バクテリオファージにより獲得したものである〔。 牛等の糞便等から検出されており、その肉に付着する可能性が高い。汚染防止のため屠畜場では多くの汚染防止対策が取られている。なお、牛に感染しても無症状である。環境中での生存期間が長く、堆肥中で21ヶ月生存したとの報告があるほか、レタスなどの葉に付着後は2週間程度生存している。また、8℃以下ではほとんど増殖しないが、12℃以上では3日間で100倍に増殖したとの報告もる〔山崎伸二、密接にかかわる腸管出血性大腸菌の病原性と生存戦略—ドイツの腸管出血性大腸菌O104食中毒から見えてきたこと 日本食品微生物学会雑誌 Vol.31 (2014) No.3 p.139-143, 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「O157」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Escherichia coli O157:H7 」があります。 スポンサード リンク
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