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有機電界効果トランジスタ(OFET)とは有機半導体を活性層に用いた電界効果トランジスタのことである。OFETは真空蒸着や溶液塗布によって作成することができ、低コストかつ大面積な電子製品の実現をめざして開発が進められている。OFETにはさまざまな種類があるが、最も一般的な構造は基板側にゲート電極があり、ソースドレイン電極が表面についている構造である。なぜなら、この構造はシリコン基板上に熱酸化して作成した二酸化ケイ素をゲート絶縁膜として使用した薄膜トランジスタと構造が似ているからである。二酸化ケイ素のような無機物以外にもポリメチルメタクリレート(PMMA)のような有機物をゲート絶縁膜として用いることが可能である。 2007年5月、ソニーはフルカラーで動画表示可能、さらにプラスチック基板上に作成されているために折り曲げることが可能であるOFETで駆動された有機ELディスプレイを世界で初めて試作したと発表した〔プラスチックフィルム上の有機TFT駆動有機ELディスプレイで世界初のフルカラー表示を実現 〕。 == 材料 == OFETに使用される材料は、一般的に芳香環をもつ低分子有機材料、広がったπ電子をもつ高分子有機材料に大別される。これらは、軌道の波動関数の非局在化を促進するために欠かせない要素である。これらに加えて、電子求引性ないしは電子供与性の官能器が電子ないしは正孔の伝導を容易にするために導入されることもある。 これまで、さまざまな材料がOFETとして試されてきた。代表的な材料としては低分子についてはルブレン、テトラセン、ペンタセン、ペリレンジイミド(PTCDI)、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)などがあげられる。高分子についてはポリチオフェン、特にポリ3ヘキシルチオフェン(P3HT)や、ポリフルオレン、ポリジアセチレン、ポリ2,5チエニレンビニレン、ポリ-パラフェニレンビニレン(PPV)などがあげられる。 研究は現在非常に活発に行われており、毎週新規に合成された化合物のFET特性が著名な論文誌、たとえば、Advanced Materials、Journal of the American Chemical Society、Chemistry of Materials、Angewandte Chemieなどに多数投稿され続けている。また、解説論文もこれらの開発成果をまとめるために多数投稿されている〔C.D. Dimitrakopoulos and P.R.L. Malenfant, Adv. Mater. 14 (2002), p. 99〕〔C. Reese, M. Roberts, M. Ling and Z. Bao, Mater. Today 7 (2004), pp. 20–27〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「有機電界効果トランジスタ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Organic field-effect transistor 」があります。 スポンサード リンク
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