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SRBM ( リダイレクト:短距離弾道ミサイル ) : ウィキペディア日本語版 | 短距離弾道ミサイル[たんきょりだんどうみさいる]
短距離弾道ミサイル(たんきょりだんどうミサイル、)は、弾道ミサイルのうち射程が概ね1,000km以下のもの。準中距離弾道ミサイルとの差異は射程がやや短いのみで、厳密な区分はない。ただし、そのうち核弾頭を持つもので射程500km以下のものは戦術核兵器に分類され、500kmを超える射程を持つものは、中距離核戦力全廃条約の対象となっており、それぞれ別の核軍縮条約により制限及び撤廃されている。 == 概要 == 短距離弾道ミサイルは、同じ射程でも発射から着弾までの時間が軌道によって異なり、低軌道のディプレスド軌道(depressed trajectory)を選択した場合で5-6分、高軌道のロフテッド軌道(lofted trajectory)を選択した場合で10分程度である〔。車輌で運搬され、運搬車輌がそのまま発射機になるという移動式のものが多く、大陸間弾道ミサイルのようなミサイルサイロや、中距離弾道ミサイルのような発射台といった大掛かりな設備を建造する必要がないためコストが安く済む。また、運用も他の長距離弾道ミサイルと比較して簡便であったことから、多くの国が採用した。移動式にすることで、発射地点を事前に特定されないようにして生存性を高め、任務を遂行しやすくする目的もあった。高性能炸薬弾頭の他に核弾頭、化学兵器、中性子爆弾(放射線強化核弾頭)といったNBC兵器をはじめ、クラスター爆弾、燃料気化爆弾も装備可能であり、その形態は実に多様である。 大きさも様々である。V2ロケットの開発者であるヴェルナー・フォン・ブラウン博士も開発に携わったV2直系のアメリカ製PGM-11 レッドストーンで射程320km、全長21mであった。これは更に射程の長い大型弾道ミサイルや打ち上げロケットとなっていった。それとは別の系統でフランク・マリナ率いるジェット推進研究所(JPL)が開発したWACコーポラルを元にアメリカで独自に開発したMGM-5 コーポラルが射程100km前後で全長14mであった。この後、アメリカは概ね100-150kmの射程で小型化を図っており、アメリカ最後の戦術核ミサイルとなったMGM-52 ランスでは、射程125kmで全長6mまで小型化、非核弾頭のMGM-140 ATACMSでは射程165kmで全長4mにまで小型化している。これに対し、ソビエト連邦では、東側の代表的なスカッド・ミサイルを全長11-12mのままほとんど変えず、射程を伸ばす方向へ開発を進展させており、射程130kmのスカッドAに始まりスカッドDでは射程700kmを実現している。このことからも東西の弾道ミサイル思想の違いがはっきり表れている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「短距離弾道ミサイル」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Short-range ballistic missile 」があります。
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