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スーパーWASPは全天に亘って、15等級までの太陽系外惑星の通過を検出するプロジェクトである。WASPとはWide Angle Search for Planetsという言葉の略である。 スーパーWASPは、2つの機械的な観測から成り立っている。北半球ではカナリア諸島ラ・パルマ島のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台、南半球では南アフリカ共和国の南アフリカ天文台が担当している。それぞれの天文台には、2k×2kの高品質のCCDイメージセンサを備えた8機のキヤノン200 mm f1.8レンズを設置している。望遠鏡はOptical Mechanics, Inc.で作られたものである〔 http://www.opticalmechanics.com/news/index.html〕。キヤノンのレンズの広い視野により、それぞれの天文台で点当たり500°という広い範囲の観測が可能である。 天文台は継続的に観測を行ない、およそ1分間に1枚の画像を撮影する。これは一晩では合計100ギガバイトのデータ量に及ぶ。トランジット法を用いることにより、集められたデータでそれぞれの画像ごとの各恒星の明るさを測定し、恒星の前面を通過する大きな惑星による恒星の明るさのわずかな変化を検出することができる。 スーパーWASPは、Instituto de Astrofisica de Canarias、the Isaac Newton Group of Telescopes、キール大学、レスター大学、オープン大学、クイーンズ大学ベルファスト、セント・アンドルーズ大学の8つの研究機関からなるコンソーシアムによって運営されており、将来の地球型惑星探索のために惑星の進化を解明することが期待されている。 == 成果 == 2006年9月26日、スーパーWASPのチームは2つの太陽系外惑星WASP-1b(恒星の周囲600万kmの距離を2.5日周期で公転)とWASP-2b(恒星の周囲450万㎞の距離を2日周期で公転)の発見を公表した〔Wide-eyed Telescope Finds its First Transiting Planets Around Distant Stars (PDF requires acrobat reader)〕。 2007年10月31日、スーパーWASPのチームは3つの太陽系外惑星WASP-3b、WASP-4b、WASP-5bの発見を公表した。この3つの太陽系外惑星は木星質量とほぼ同じで、主星に非常に近い軌道を公転しているため公転周期は2日以下である。これらは、既知の太陽系外惑星では最も短い周期である。恒星から非常に近い位置にあるため、惑星の表面温度は2000度を超えている。北半球と南半球の両方でトランジット法により惑星を検出したのは、スーパーWASPが初めてで、またこれまで唯一である〔UK planet hunters announce three new finds (PDF requires acrobat reader)〕。WASP-4bとWASP-5bは南アフリカのWASPのカメラで初めて発見された惑星であり、WASP-3bはラ・パルマ島のカメラで3番目に発見された惑星である。 2009年8月には、主星(WASP-17)の自転方向と逆方向に公転すると考えられている初めての惑星WASP-17bの発見が公表された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スーパーWASP」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 SuperWASP 」があります。 スポンサード リンク
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