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TARANIS[たらにす]
TARANIS(タラニス)はフランス国立宇宙研究センター(CNES)によって打ち上げが計画されている地球観測衛星。スプライト等の名称で知られる大気高層の発光現象と地球大気から放射されるガンマ線を観測対象とする。衛星名は「Tool for the Analysis of RAdiations from lightNIngs and Sprites」(雷・スプライト放射観測機器)の略であり、ケルト神話の雷神タラニスにかけた名称である。 == 概要 == 1989年に発見されたスプライトと呼ばれる地球大気上層の発光現象は、その後さまざまな色と形状パターンが見つかり、研究者によって高高度発光現象 (Transient Luminous Event:TLEs)と総称されるようになった。高高度発光現象は雷の発生に伴ってその上方に生じることが知られているが、そのメカニズムは仮説モデルの段階であり、その仮説においても説明がつかない複数の観測事実がある。また天文衛星によって1994年に偶然発見された、地球大気から発せられるガンマ線フラッシュ(Terrestrial Gamma-ray Flashe:TGFs)の現象についても、雷または高高度発光現象との関連が指摘されているが因果関係の詳細は不明である。高高度発光現象の研究を進めるにあたっては地上からの観測のみでは発生頻度と水平分布の把握が困難であり、また大気中のエアロゾルにより発光スペクトルの計測に誤差が生じるなどの限界がある。さらに大気上層で生じるガンマ線に至っては大気に遮られ地表からは観測そのものが出来ないため、人工衛星を用いた観測が必須となる。TARANISの目的は、今だ未解明な点が多いこれら大気上層の高エネルギー現象を衛星軌道から複数の機器で観測することで磁気圏・電離圏・大気圏を結びつける電磁気学的な知見を得、高高度発光現象およびガンマ線の発生メカニズム解明へつなげることである。 TARANISは小型衛星バスMYRIADEを使用する科学衛星シリーズの1基として設計され、観測機器として2台のカメラ、4台のフォトメータ(測光器)とX線・ガンマ線センサ、電場・磁場測定器およびそのアンテナが搭載される。打ち上げはソユーズまたはヴェガロケットを使用し2015年にギアナ宇宙センターより行われる予定。打ち上げ後のミッションコントロールとデータ分析はオルレアンのフランス国立環境物理化学研究所(LPC2E)ミッションセンターが担当する。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「TARANIS」の詳細全文を読む
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