|
Trans Europ Express, 略称TEEは、1957年から西ヨーロッパで運行されていた列車の種別である。すべて一等車からなる昼行の国際列車で一定の条件を満たしたものがTEEとされたが、後に西ドイツ、フランス、イタリアでは国内発着の最優等列車もTEEとなった。TEEには原則として一往復ごとに個別の列車名がつけられていた。一等国際列車としてのTEEは1988年に全廃され、国内列車のTEEも1991年に廃止された。1993年に二等車を含む列車として復活するものの、これも1995年に廃止された。 日本語では「欧州特急」、「ヨーロッパ横断特急」、「ヨーロッパ国際特急」〔1974年の東宝映画『エスパイ』にも、この名で登場する。〕等と訳される。 == 特徴 == TEEは本来、国際的に活動するビジネス客を主な対象として設定された列車である。また第二次世界大戦後に急速に発達した航空機や自動車に対抗できる速度や利便性、快適性を追求した列車でもある〔。 TEEでは出入国管理や税関検査などの手続きは原則として車内で走行中に行なえるようになっており、国境駅での長時間停車は不要になった。また食堂車を連結するか、もしくは車内の厨房からケータリングサービスが行なわれた〔。列車によっては車内からの電話や秘書によるタイプセットなどのサービスが行なわれるものもあった。 ほとんどの系統でTEEは1日に1往復から2往復程度であり、早朝に始発駅を出て昼頃に終着駅に着き、逆向きの列車は夕方に発車して深夜に到着するというダイヤが組まれた。これはビジネス客の出張利用を想定し午後を目的地での仕事に使えるようにしたためであり、昼間を列車の中で過ごすことはあまり想定されていない〔〔。 TEEの利用には各国鉄の一等運賃を合算したものに加え、TEE用の特急料金が必要であった〔。その額は1957年当時では1kmあたり1.47金サンチーム〔金サンチームは金フラン(金本位制時代のフランス・フラン)の100分の1〕と定められており、実際にはこれを各国の通貨に換算した料金表が適用された。例えば西ドイツで発券される場合は225km以下を4ドイツマルクとし、226kmから275kmまでは5マルクのように50kmごとに1マルク加算された。なおビジネス客を主な対象としていたこともあり、小人料金の設定はなく各種の割引制度もほとんどが適用されなかった。ただしユーレイルパスは利用可能であり、この場合特別料金も不要であった。 TEEは一部の国内区間相互発着利用の場合を除いて、基本的に全車指定席であり、利用には予約が必要だった〔。予約業務のため、列車名や駅名、その他必要な用語について各国共通の電報略号と通信手順が定められていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「TEE」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|