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VK4502(P)は第二次世界大戦中にドイツのポルシェ社で計画された試作重戦車である。工学博士フェルディナント・ポルシェの手になるタイプ180およびタイプ181が計画されたが設計段階で終了した。製造された車輌は存在しない。ポルシェの原案では駆動方法の異なるタイプ180、タイプ181が存在し、また車体の前方に砲塔を配置する型式と、車体の後部に砲塔を配置する型式とが設計されていた〔シュピールベルガー『ティーガー戦車』166、167頁〕。 タイプ180はVK4501(P)の設計を踏襲した上で足回りを強化していた。基本形状はよりリファインされ、前面装甲が傾斜した一枚板で構成されたが、駆動方式はVK4501(P)を引き継いでタイプ101/3ガソリンエンジン2基および駆動用電動機の構成を採用していた。第二案にはポルシェ・タイプ101/4エンジンの搭載が計画されたが、相違は少ない。この車輌の総重量は64tと推定された。主砲には71口径8.8cm戦車砲が用いられ、約68発の砲弾を積んだ。弾薬の配置は16発が砲塔、42発が車体、10発が床上である〔シュピールベルガー『ティーガー戦車』166頁〕。このほかにMG34を2挺装備するものとした〔シュピールベルガー『ティーガー戦車』245頁〕。 タイプ181は流体駆動機構を装備するものとして計画された車輌である〔シュピールベルガー『ティーガー戦車』166頁〕。VK4501(P)のシャーシを流用したポルシェ・タイプ102では、従来の機械式主変速機の代わりにフォイト製油圧式NITA主変速機を採用した。この変速機は2基の油圧式トルクコンバーター2基を装備しており、機械式変速機に効率が劣るものの、電気式主変速機と同等の性能を示すことが期待されていた。しかしながらこの後、開発作業は停止した〔シュピールベルガー『ティーガー戦車』113頁〕。タイプ181はタイプ102と同様、流体駆動機構を採用した〔シュピールベルガー『ティーガー戦車』245頁〕。 タイプ181のエンジンは、一次案ではV型10気筒、335馬力の101/4エンジンを2基、二次案ではポルシェ・ドイツ・ディーゼルエンジン2基、三次案ではポルシェ・ディーゼルエンジンの出力向上型を搭載することが予定された。ポルシェ・ドイツ・ディーゼルエンジンはX型に16気筒を配する排気量19.6リットルのエンジンで、370PSを発揮する予定だった。三次案ではこのエンジンの定格出力が700PSとされ、排気量37リットルのエンジンが1基のみ試作された〔シュピールベルガー『ティーガー戦車』167頁〕。 これら全ての設計案は生産に移行しなかった。砲塔のみがティーガーII戦車の初期生産車輌に流用されたものの〔シュピールベルガー『ティーガー戦車』167頁〕、曲面化された砲塔前面形状がショットトラップを生じる欠点があること、強度に問題があることが指摘され、新型砲塔が開発されることとなった〔シュピールベルガー『ティーガー戦車』150頁〕。 == 登場作品 == * 『World of Tanks』 - VK45.02(P) Ausf. AおよびVK 45.02(P) Ausf. Bが開発可能。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「VK4502(P)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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