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アイノコ : よみがなを同じくする語

あいの子
合いの子
合の子
間の子
アイノコ : ウィキペディア日本語版
アイノコ
アイノコとは、奄美大島大正時代に考案された木造の伝統船の形式名である。
== 解説 ==
奄美大島で使用されていた伝統的な小型の木造船舶は「イタツケ(板付)」と呼ばれるものである。これは船首、船尾が同形で平たい形をしているもので、安定性が高い反面、波切り性能が低く、速度が出ないものであった。一方、明治期以降に奄美群島近海で操業するようになった沖縄県糸満の漁師たちが使用していた「サバニ」は、波切り性能が高く剽悍な運動性を発揮する反面、安定性に乏しく容易に転覆するものであった。
大正10年頃、この両者を折衷した形式の舟が考案された。具体的にはサバニの船形を、イタツケの工法で造ったものである。これを考案したのは、当時、大金久の集落に住んでいた舟大工の海老原万吉である。海老原は現在の宮崎県出身であるが、早い時期から故郷を離れて行商をしており、19世紀の末頃に沖縄島の本部(もとぶ)で2年間、サバニを造る舟大工のもとで修行した経験があった。海老原はその後、奄美大島に定住することを選んだが、サバニが奄美に紹介された時、かつての経験を生かして奄美群島のイタツケと沖縄県のサバニを融合させたのである。
完成したアイノコはたちまちのうちに奄美の漁師たちの間で大評判となり、普及していった。船材は当初は海老原の故郷である宮崎の飫肥杉を使用していたが、戦時体制下で飫肥杉が手に入らなくなると、海老原は奄美大島の赤杉を使用してアイノコを建造した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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