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ガウス整数(ガウスせいすう、)とは、実部と虚部が共に整数であるような複素数、すなわち ''a'', ''b'' を整数として ''a'' + ''bi'' の形の複素数のことである。ここで ''i'' は虚数単位を表す。ガウス整数という名前は、カール・フリードリヒ・ガウスにちなむ。ガウス自身はガウス整数のことを複素整数()と呼んだ〔河田敬義『19世紀の数学 整数論』共立出版、1992年 ISBN 4320012771〕が、今日ではこの呼称は一般的ではない。 ''b'' = 0 の場合は通常の整数を表すので、通常の整数もガウス整数の一種である。区別のために、通常の整数は有理整数と呼ばれることもある。 数学的には一つ一つのガウス整数を考えるよりも、集合として全体の構造を考える方が自然である。ガウス整数全体の集合を Z と表し、これをガウス整数環と呼ぶ。すなわち、 である(ここに、Z は有理整数環、すなわち有理整数全体の集合を表す)。その名が示すように、ガウス整数環は加法と乗法について閉じており、環としての構造を持つ。複素数体 C の部分環であるから、整域でもある。 Q を有理数体、すなわち有理数全体の集合とするとき、 をガウス数体という。ガウス整数環はガウス数体の整数環である。ガウス数体は、典型的な代数体であるところの円分体や二次体の一種であるので、ガウス整数環は代数的整数論における最も基本的な対象の一つである。 == ノルム == ガウス整数 α = ''a'' + ''bi'' は二次方程式 ''x''2 − 2''ax'' + ''a''2 + ''b''2 = 0 の根である(よってガウス整数は代数的整数である)。この方程式のもう一つの根は ''a'' − ''bi'' である。これを α の共役といい、α で表す(この場合、α は α の複素共役でもある)。方程式の係数に現れる、共役との和 2''a'' を α のトレース(英:trace、もしくはシュプール、独:Spur)、共役との積 ''a''2 + ''b''2 を α のノルムという。すなわち、ガウス整数のノルムとは で与えられる非負の有理整数である。この値は絶対値の平方に等しい。また、ノルムは乗法的性質を持つ。すなわち、2つのガウス整数 α, β に対して が成り立つ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ガウス整数」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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