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クッキングパパ : ウィキペディア日本語版
クッキングパパ

クッキングパパ』 (COOKING PAPA) は、うえやまとちによる日本青年漫画作品、またそれを原作としたテレビアニメおよびテレビドラマ作品。
== 概要 ==
モーニング』(講談社)で1985年11・12号と2号連続読みきりが掲載され、同年14号から連載されている〔なお連載開始以前に『モーニング』誌上で行われた漫画賞「コミックオープン」1984年後期で秀作に入賞し同年48号の『モーニング』に掲載されたが、現在の一味の設定が大きく異なっている。職業が画家で自由人といった風体になっており、顔もしゃくれた下アゴではない(丸顔にヒゲをたくわえ、髪を後ろで束ねている)。名字も「荒岩」ではなく「土田」となっている。虹子とまことの設定は変わっていない。「父と子の暖かい対話を、ほのぼのとしたムードの中に、みずみずしく描いたファミリー漫画」であり、作品の中で料理はそれほど大きな位置づけとはなっていない。〕。1巻は1986年1月18日発売で、2016年2月現在135巻まで発売されている長寿作品となっている。
2015年、その実績に対して、第39回講談社漫画賞・特別賞が贈られた。
内容は、家庭や職場や学校の人間関係の中で、主人公荒岩一味をはじめ各キャラクターが料理の腕をふるうというもの。いわゆる料理・グルメ漫画の一つである。
たまにシリーズがあるものの基本的には一話完結型で、そこには料理漫画に多々ある料理勝負などはなく〔例外は2度あり、一味の出身大学の学園祭で模擬店のメニューで売り上げを争ったことと、一味とまことがタコ料理で対決したことがあるが、明確な勝負はつけていない〕、暖かい絆で結ばれた家族、家庭的な企業における人間の暖かさ、結婚出産や子供の成長〔作中では現実の約半分のスピードではあるが確実に年月が流れており、一部の漫画のように『キャラクターが歳をとらない』ということがない〕といったほのぼのとした内容や感動的な人情話が中心となりそこに家庭人としても企業人としても慕われている主人公、また料理に知恵を絞る各キャラクターが腕を振るう料理が華を添えるという展開をとっている。明るい話だけではなく、産後うつ不登校不況など暗い話も時折存在する。行きつけの店舗の主人は調理師であるが、一味は技術は高いもののプロではなく、調理師免許を持っていないとされる。一味はじめどのキャラクターも「ごく普通の人」という位置づけであり、他の作品にあるような「スーパースター」や「ヒーロー」の類はいない。作者によると「まるごとザカレー」の回を読んだ読者から「(この回を読んで)スプーンを買いに行きました」というファンレターが届き、そういう人たちのために書いていこうと心を新たにしたという。
作品の主たる舞台は博多福岡県福岡市)である。博多は実在の地名であるが、地区名である「香椎(福岡市東区)」「箱崎(同)」「大名(福岡市中央区)」をそれぞれ「花椎」「函崎」「大妙」とするなど地名を意図的に変更している場合もある。また物語の1コマ目には風景が描かれることが多いが、たとえその風景が本来「博多」とは呼べない地域(那珂川より西に当たる天神百道など〔この場合の「博多」の定義については当該項を参照のこと。〕)であっても福岡市内の風景ならば「博多」で統一されている。福岡周辺の鉄道・道路・施設・飲食店などは細かく描写されており、このことが福岡に住む人から支持されるゆえんである。また、妻・虹子の勤務先が「ニチフク新聞」となっていたり(1992年に休刊したフクニチ新聞がモデル)、キャラクターが福岡ダイエーホークス・福岡ソフトバンクホークスの帽子をかぶっているなど一部に福岡ローカルを意味する点を織り交ぜている。博多以外には、長男・まことがかつて暮らしていた沖縄本島や現在暮らしている大阪市、妹夫婦である根子田一家などが暮らす東京都が舞台になる話もあるほか、各キャラクターが出張や旅行で訪れるという設定で国内外の食材・名物料理を取り上げることも少なくない。
一話毎にその話のキーとなる料理の詳細なレシピが絵入りで紹介されている。漫画に載っているレシピのページをまとめた料理本も『クッキングパパのクッキングブック』など複数存在する。また福岡周辺はじめキャラクターが出張や引越しなどで出かける全国各地に実在する飲食店商業施設観光施設、豊かな自然、特有の文化、祭り、行事などが紹介されたり、九州を中心として郷土料理が紹介されることもあり、九州をはじめ各地の食についてのガイドにもなるものである。料理・食材は高級な物も安い物も紹介される。作中に登場する料理はすべて作者のうえやま自身が実際に作って試食し、味を確かめた上で描いている〔クッキングパパの料理を食べてきた 〕。うえやまの仕事場では、漫画の製作だけでなく、うえやまが作った料理を試食・批評することもアシスタント達の仕事の一部になっている。
バブル景気や不況、受験戦争、福岡市内の再開発の影響など世相が反映される話も多い。また、携帯電話の普及にしても、会社持ち→携帯電話所有→高校生も所有→スマートフォンといった時代の流れを反映している。20年以上に渡る長期連載のため、世相の移り変わりを見ることができる。現在では男が料理することは何でもないことであるが、80年代においては珍しいことであった。また、バブル時代の猛烈な仕事ぶりと遊び方が描かれたり、貯金を全くしなくとも気にしない若き日の田中、フリーターを自由人として謳歌する花田、現在ならセクハラで大問題となる行動をするティートなども当時としては珍しいものではなかった。初期の巻末のコラム漫画でも伊勢海老やフグ、ステーキを作者が食べるなどバブル時代の影響がある。
基本的にはフィクションであるが、取材した店や特定の地域が実名で出ることがある。(福岡市の大名春吉のほか佐渡宮古島など)また、実在の人物が登場することもある(福岡ソフトバンクホークス監督工藤公康など)。
料理勝負などがないことに加え、どの登場人物もスポーツなどの勝負事で「勝ってヒーローになる」ことがほとんどない。どの登場人物も失敗をすることがある。主役の一味ですら色々な意味で失敗することがある。基本的にキャラクターはすべて存在意義をきちんと示すことにする主義のようで悪役や損な役、逆に成功し続けたり有利になり続ける例はない。また、私立の小中学校に通学することは出ておらず、子供は地元の公立の学校である。
初期は、一味が会社内では料理をすることを隠しておく、妻・虹子が不器用でちゃらんぽらんであるなど、男性が料理・家事をすることの恥ずかしさをイメージする路線だったが、次第に男女各キャラクターとも料理に親しむようになった。長男・まことは一味の影響で、同年代の友人や(一味以外の)家族の中でも特に料理の腕前が高い。一味が会社で料理を好むことがばれることが路線転換になり、料理に親しむことの重要性を意味することが大きくなった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「クッキングパパ」の詳細全文を読む




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