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クーマ目(くーまもく)、学名 Cumacea は、甲殻類の一分類群である。クマ目とも呼ばれる。フクロエビ上目に分類されている点では、等脚類(ダンゴムシ、フナムシ)・端脚類(ヨコエビ、ワレカラ)・アミ類等に近い分類群である。 ==特徴== "Cuma"(クーマ)はギリシア語で「波」「胎児」の意である。これは甲殻類の分類を行っていたアンリ・ミルン=エドゥアールが1840年にこの甲殻類を調べ、十脚目の幼生形とみて ''Cuma audowini'' と命名したためとされる。その後この分類群が抱卵することが判明し、十脚目とは独立した分類群として認識されるようになった〔蒲生重男『クーマ類について(総説) 』甲殻類の研究 (1), 73-90, 1963-11-03 日本甲殻類学会〕。英語での総称は"Hooded shrimp"、「フードをかぶったエビ」の意だが、エビを含む十脚目はホンエビ上目であり、やや遠縁である。 丸みを帯びた頭胸部と細長い腹部をもつ。複眼は無柄で小さく、頭胸部の前に二つ近接してついている。成体のオスは触角、胸部付属肢外肢、複眼が発達する。一方、メスは左右の脚の間に卵を抱える育児嚢がある。体長はほとんどが数mm程度だが、北大西洋産の''Diastylis goodsiri'' (Bell, 1855) は体長35mmに達する。日本最大種は体長18mmに達する ''Heterocuma sarsi'' Miers, 1879 で、これは西日本沿岸からインド太平洋暖海域に広く分布する〔〔内田亨監修『学生版 日本動物図鑑』1948年初版・1999年重版 北隆館 ISBN 4832600427〕〔内海冨士夫・西村三郎・鈴木克美『エコロン自然シリーズ 海岸動物』1971年発行・1996年改訂版 ISBN 4586321059〕〔三浦知之『干潟の生きもの図鑑』2007年 南方新社 ISBN 9784861241390 / 海と生き物 宮崎と南九州の自然 〕。 全世界の海に分布する海生甲殻類だが、カスピ海にも生息する。波打ち際から水深7,000m以上の深海まで種類によって棲み分ける。昼は海底に潜みながらデトリタス等を摂食し、夜に腹部を使って水中を遊泳する。メスは交尾後に産卵し、受精卵はメスの育児嚢に抱えられ保護される。子はノープリウス幼生期を育児嚢内で過ごし、マンカ幼生 Manca という形態から親を離れて単独生活に移る。成熟までの期間は種類によって異なり、1年-数年ほどと考えられている〔。 人間にとって直接の利用価値はないが、他の甲殻類、頭足類、魚類等の餌となり、食物連鎖の上では重要な位置にある〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「クーマ目」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Cumacea 」があります。 スポンサード リンク
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