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ゲオシフォン
ゲオシフォン(Geosiphon)とは、細胞内共生藻類を持つ唯一の菌類である。土壌の表面に袋状の細胞が並んだ姿をしている。 == 特徴 == ゲオシフォンは一見袋状の藻類のような陸生の菌類である。その名は、"Geo"「地の」+"siphon"「サイホン、水管」を意味する。本菌は、世界中で唯一ドイツヴュルツブルク近郊のスペサート Spessart 山近辺の耕作地からのみ知られている。まれな生物であり、栽培は非常に難しい。湿った地表に小さな風船のような丸い透明感のある嚢状部(bladder)が並んだような外見で、この嚢状部(膨大した菌糸細胞)は下に伸びている。 嚢状部は側面から見ると円筒形で、先端が丸くなった嚢状部が互いに寄り合い、先端の光合成部だけが上から見えるものである。嚢状部の大きさは長さにして2mm程度。下の方は細くなって貯蔵部となり、菌糸体に連なっていてこれが個々の嚢状部の間を連絡している。嚢状部や菌糸には隔壁がなく、多核である。またこの菌はグロムス属のものによく似た多層で厚い壁を持つ胞子を形成する。 嚢状部の上部には、シアノバクテリアであるネンジュモの1種 (''Nostoc punctiforme'') が共生している。ネンジュモは膜に包まれており、この構造はシンビオソーム (Symbiosome) と名付けられている。シンビオソームは嚢状部の上部の表面に沿ってカップ状になって入っている。共生状態の藻類は、自由生活のそれより数倍大きな細胞となっているが、内部構造に変化はない。個々の嚢状部は半年以上生存する。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ゲオシフォン」の詳細全文を読む
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