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ゲシュタルト心理学(ゲシュタルトしんりがく、''Gestalt Psychologie'')とは、心理学の一学派。人間の精神を、部分や要素の集合ではなく、全体性や構造に重点を置いて捉える。この全体性を持ったまとまりのある構造をドイツ語でゲシュタルト(''Gestalt'' :形態)と呼ぶ。 ゲシュタルト心理学は、ヴントを中心とした要素主義・構成主義の心理学に対する反論として、20世紀初頭にドイツにて提起された経緯を持つ。精神分析学や行動主義心理学に比べると、元々の心理学に近いと言える。 特にユダヤ系の学者が多かった事などもあって、ナチスが台頭してきた時代に、同学派の主要な心理学者の大部分がアメリカに亡命した(例外的にヴォルフガング・ケーラーのみはバルト・ドイツ人出身)。 その後、同学派の考え方は知覚心理学、社会心理学、認知心理学などに受け継がれた。自然科学的・実験主義的アプローチや、全体性の考察に力学の概念を取り入れた事など、現代の心理学に与えた影響は大きい。 日本の研究者では、ケーラーのもとで学んだ佐久間鼎などがいる。言語学者でもあった佐久間は発音にもこだわり、より原語の発音に近い「ゲシタルト」と称した。現在でも、「ゲシュタルト心理学」ではなく「ゲシタルト心理学」という語を用いる研究者もいる。 == 概要 == 構成主義・要素主義の立場では、人間の心理現象は要素の総和によるものであり、視覚・聴覚などの刺激には、個々にその感覚や認識などが対応していると考えられている。例えば既知のメロディを認識する過程では、一つ一つの音に対して記憶と対照した認知があり、その総和がメロディーの認識を構成すると考える。 これに対する反論としては、移調した既知の旋律であっても、同じ旋律であると認識出来る事の説明にならないというものがある。一つ一つの音は既知の旋律とは違っていても、移調しただけであれば、実際は同じものであると人は認識できる、というものである。 この事を説明するために提唱されたのが、ゲシュタルト性質という概念である。 ゲシュタルト心理学の最も基本的な考え方は、知覚は単に対象となる物事に由来する個別的な感覚刺激によって形成されるのではなく、それら個別的な刺激には還元出来ない全体的な枠組みによって大きく規定される、というものである。ここで、全体的な枠組みにあたるものはゲシュタルト(形態)と呼ばれる。 例えば果物が書かれた絵を見て、それが線や点の集合ではなく「りんご」であるように見える事や、映画を見て複数のコマが映写されているのではなく動いているように見える事は、ゲシュタルトの働きの重要性を考えさせられる例である。 ベルリン学派に属する M. ヴェルトハイマー、W. ケーラー、K. コフカ、K. レヴィンらが中心的存在である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ゲシュタルト心理学」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Gestalt psychology 」があります。 スポンサード リンク
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