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テラヘルツ波(テラヘルツは)とは電磁波の一分類である。 周波数1THz(波長300µm)前後の電磁波を指す。範囲についての明確な定義はないが周波数100GHz~10THz(波長30µm~3mm)としたり、ミリメートル波の次に短波長の周波数300GHz〜3THz(波長100µm〜1mm)帯を指したりする。波長 mm以下のサブミリ波をほぼ含み長波長側はミリメートル波、広義のマイクロ波と重なり短波長側は遠赤外線と重なる。 光波と電波の中間領域に当たり、光学測定系の構築が可能と言う特長を持つ。また、分子結晶などの固有の振動周波数が存在する。発生と検出が困難であるため、非破壊検査や宇宙観測などでの応用にようやく緒がついたところである。なお、日本の電波法では第2条で300万MHz(=3000GHz=3THz)以下の周波数の電磁波を「電波」と定義している。 この電磁波を利用した技術に、テラヘルツ時間領域分光法がある。電磁波の発生と検出には光伝導アンテナや電気光学結晶(非線形光学結晶,例えばZnTe)を用いることにより、電磁波の位相と振幅を検出することが可能である。 位相のそろった縦振動分極の一つであるコヒーレント縦光学フォノンを用いた準単色時間領域テラヘルツ波発生素子もある〔 Intense monochromatic terahertz electromagnetic waves from coherent GaAs-like longitudinal optical phonons in (11n)-oriented GaAs/In0.1Al0.9As strained multiple quantum wells Applied Physics Letters vol.100, 242107 1-4 (2012). 〕。 == 概要 == 赤外線もしくはマイクロ波は直進する。テラヘルツ放射はイオン化しないサブミリ波放射で導電体には侵入しない。布、紙、木、プラスチック、陶磁器を透過する特性がある。霧や雲をある程度透過するが金属や水は透過しない。 大気中ではテラヘルツ波はおもに水蒸気による吸収により減衰が大きく、伝搬距離が限られる。 2008年、ハーバード大学の技術者達は,室温で半導体発振器(量子カスケードレーザー)でテラヘルツ波を発振したと発表した。これまでは極低温でなければできなかった。これにより実用化に向けて大きく前進した〔Engineers demonstrate first room-temperature semiconductor source of coherent Terahertz radiation Phsorg.com. May 19, 2008. Accessed May 2008〕。 2009年9月、岩手県立大学教授の倉林徹らが、テラヘルツ波を照射し、振動波を確認してカシミヤの純度を数分で識別する技術を開発した。〔テラヘルツ波を用いた繊維の鑑別方法 〕 2013年3月、パイオニアとロームの研究グループは、共鳴トンネルダイオードを使用したテラヘルツ波による透過イメージングに世界で初めて成功した。〔世界初、小型半導体素子『共鳴トンネルダイオード』を発振・検出に用いたテラヘルツイメージングに成功 〕 従来はテラヘルツの発振と検出には超伝導素子が使用されていた〔超伝導による連続 THz 波の発振と応用 〕〔テラヘルツ帯超伝導発振器と検出器に関する研究 〕が、近年ではGaNのような化合物半導体〔世界最高感度 *、室温でテラヘルツ波を検出するGaNトランジスタを開発 〕やDAST有機光学結晶〔超広帯域波長可変THz波光源の開発に関する研究 〕による非線形光学効果による室温での発振に成功している。 電磁波における最後の未踏領域とされ、今後市場全体で、2014年の5470万ドルから2024年には12億ドルとなる見込み〔テラヘルツ世界市場、驚異的な成長 〕。近年、成長する市場をあてこんで各国でベンチャー企業の参入が相次ぐ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「テラヘルツ波」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Terahertz radiation 」があります。 スポンサード リンク
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