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スイス国立銀行(スイスこくりつぎんこう)は、スイス連邦の中央銀行。金融政策の実施、スイス・フラン紙幣の発行管理がその役割。総裁はトーマス・ジョルダン。 スイス連邦には4種の公用語があるため、制度上の正式名称も4種の言語で併記される。(ドイツ語: ''Schweizerische Nationalbank'', フランス語: ''Banque Nationale Suisse'', イタリア語: ''Banca Nazionale Svizzera'', ロマンシュ語: ''Banca Naziunala Svizra'')法人形態はアクツィエンゲゼルシャフトで、資本金の約55%がカントンや州立銀行のような公的機関による出資。残りは証券市場で取引されており、そのほとんどが個人に所有されている。スイス連邦は一切出資していない。 2007年、スイス国立銀行が設立100周年を迎えたことを記念してスイス・ポストが1フラン切手、85ラッペン切手の2種類の記念切手を発行した。それぞれのデザインは100周年に掛けて、100スイス・フラン紙幣のデザインをそのまま採り入れている〔100 Jahre Schweizerische Nationalbank 〕。 ==金融政策== ===為替レートターゲット=== 2011年9月、スイス・フランの対ユーロ相場に1ユーロ=1.2フランの上限目標を設定し、2013年11月現在も継続している〔スイスフランの対ユーロ相場上限、維持する必要=中銀総裁 〕。 2015年1月15日、上限を撤廃した。スイス・フラン相場は一時、対ユーロで約30%急騰した。この撤廃はIMFにすら事前連絡がなかった。これまでのフラン売り・ユーロ買いの市場介入で、外貨準備は国内総生産の7割まで膨張していた〔日経新聞 スイス「安全通貨の乱」 介入終了に市場動揺 2015/1/16 23:04 :時事通信 スイス中銀、市場に「白旗」=突然の相場上限撤廃―輸出産業からは悲鳴 2015/1/17 16:01〕〔これまで欧州各国では、スイス・フラン建ての住宅ローンなど、低金利のスイス・フランで資金調達を行うポジションが存在していた。 大和投資信託 スイス・フランの急上昇について 2015年1月16日 :ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドによるとポーランドの住宅ローンの4割がスイスフラン建てだという。今度の通貨急騰は負債を急膨張させる。 日経新聞 スイスフラン急騰、FX業者の経営に打撃 2015/1/17 1:18〕〔マルコ・ディミトリジェビック氏のヘッジファンド運営会社エベレスト・キャピタル(1990年に800万ドルで設立)は、今度のスイス・フラン高騰により、傘下で最も長い歴史を持つ「グローバルファンド」の資金を全て失い、清算することになった。 :Bloomberg スイス衝撃で970億円ファンドが実質全資金を失い清算-関係者 2015/01/19 15:48 JST〕。 その為替ターゲットが放棄され一時は1ユーロ0.8スイスフランにまで増価し、その後1ユーロ約1.0スイスフランに落ち着いた。このスイスフラン高のためにスイス国内の製造業や観光業が打撃を被っている 〔Swiss bank's currency U-turn hurts watchmakers, skiers and traders The Guardian, 15 Jan 2015〕。スイス国内の時計メーカーはドイツなど周辺国向けに高級時計を輸出し、観光業は海外から多くの観光客を呼び込む。だがスイスフラン高でアルペンスキーのリゾートへの客足が減少。時計産業も苦戦し、スウォッチの株価は15%下落、リシュモンの株価は14%下落となった。リシュモンの2015年度第4四半期の売上は前期比約4%増であり、約30億ユーロに達していたにもかかわらずである〔Swiss watchmakers jolted by currency shock R. Minder and V. Gomelskyjan, The New York Times, 22 Jan 2015 〕。 UBSによるスイスの2015年度の経済成長率予測は1.8%から0.5%に下方修正された〔。スイス国立銀行は1ユーロ1.2スイスフランを維持すると宣言していたが、一転してその為替ターゲットを放棄した。LVMHは、スイスの銀行家の業務の信用を貶めたとしてスイス国立銀行を非難した。トーマス・ジョルダンは、その為替ターゲットによってスイスを深刻な害から保護したがその為替ターゲットはもはや正当化されないと述べた〔。 だが一転してその2週間後にスイス国立銀行が1ユーロ1.05から1.10スイスフランのレートを維持するよう非公式な為替ターゲットを導入するのではないかとする憶測が投資家の間で高まった 〔Switzerland rejoins currency wars M. Gilbert, Bloomberg View, European econimy, 3 Feb 2015 〕 〔Swiss franc drops to two-week lows against both dollar and euro J. Cox and N. MacLucas, The Wall Street Journal, 2 Feb 2015 〕 。スイス国立銀行は公式声明こそ出してはいないが着実に為替市場に介入し、2015年2月上旬において1ユーロ1.05スイスフランのレート水準にまで達している〔。 スイス国立銀行は沈黙を破り為替市場に再介入する意向をしめした。SNBは既にマイナス0.75%の金利を導入しておりこれによってスイスフラン安誘導への大きなインパクトになったと強調しつつ、必要があればさらなる金利下げも選択肢だとジョルダンは示唆した 〔SNB will be active in forex market if needed - Jordan J. Franklin and P. Arnold, Reuters, 7 Feb 2015 〕 。この再介入に先立ち、スイス政府はスイスフラン高が景気減速をもたらすと警告していた。ジョルダンはスイスフランの増価がスイス経済にどの程度影響を与えるかについて予測するのは時期尚早だとしながらも、その増価によってスイスのインフレ率と経済成長率もSNBの予測値を下回るのではないかと述べた〔。 2015年のギリシャ情勢など、ユーロ安スイスフラン高の圧力が高まることはスイスの輸出産業へのダメージとなる。スイス連邦貿易連合(SGB)は、スイスフランの増価はスイスの雇用と賃金に圧力をかけ、実際に既に何千という雇用が失われていると述べた。そしてSGBは、スイスフランを減価するのにマイナス金利政策だけでは不十分だとしてスイス国立銀行を批判し、再度ユーロに対して公式な為替ターゲットを設定するようスイス国立銀行に要請した〔Swiss central bank keeps powder dry amid Greece wobbles M. Allen, Swissinfo, 18 June 2015 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スイス国立銀行」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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