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スチーブンソン式弁装置 : ミニ英和和英辞書
スチーブンソン式弁装置[すちーぶんそんしきべんそうち]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
: [しき]
  1. (n,n-suf) (1) equation 2. formula 3. expression 4. (2) ceremony 5. (3) style 
: [べん]
  1. (n,n-suf) speech 2. dialect 3. braid 4. petal 5. valve 6. discrimination 
装置 : [そうち]
  1. (n,vs) equipment 2. installation 3. apparatus 

スチーブンソン式弁装置 : ウィキペディア日本語版
スチーブンソン式弁装置[すちーぶんそんしきべんそうち]
スチーブンソン式弁装置(スチーブンソンしきべんそうち、)、あるいはスチーブンソンリンク、シフティングリンク〔Snell, J B (1971). Mechanical Engineering: Railways, Longman & Co, London〕は、蒸気機関全般で広く使われた単純な構造の弁装置の一種である。ジョージ・スチーブンソンによって特許が取得されたが、実際には彼の従業員が発明したものであった。
== 歴史的背景 ==

1830年代蒸気機関車で使われるもっとも普及した弁装置は、イギリスではガブ・モーション(gab motion)で、アメリカ合衆国ではVフック・モーション(V-hook motion)であった〔 White, John H. Jr. (1968): A History of the American locomotive, its development: 1830-1880; Dover republication of 1979, ISBN 0-486-23818-0, original published by the Johns Hopkins Press.〕。ガブ・モーションは、それぞれのシリンダーに2つのエキセントリックとロッドを組み合わせ、一方のエキセントリックが前進用、もう一方が後退用になっており、ガブによって分配弁を駆動するピンと必要に応じて結合できるようになっている。ガブというのはX字形をした部品で、分配弁を駆動しているバルブスピンドルと中央部で接続されている。このXの両端にそれぞれ前進用と後退用のエキセントリックロッドがつながれ、ピンでどちらかがX字の中央部に固定されることで駆動力を伝達し、固定されていないもう一方のエキセントリックロッドはX字の外側で空振りをする構造になっている。ガブ・モーションは、使い方が難しく、また弁の動作タイミングを変えることができない不器用な機構であった。

1841年ロバート・スチーブンソン・アンド・カンパニーで働く2人の従業員、製図担当のウィリアム・ホー(William Howe)と型製作担当のウィリアム・ウィリアムズ(William Williams)が、ガブを置き換える単純な方法を提案した。垂直方向に穴の開いたリンク(エキスパンションリンク)をつくり、その両端にエキセントリックロッドの末端を接続する。進行方向を変えるには、リンクとエキセントリックロッド末端を丸ごと、逆転機ハンドルからリーチ・ロッドによってつながっているベル・クランク(L字形に力を伝達するクランク)によって上げたり下げたりする。これによって逆転動作が簡略化されただけではなく、ギアを半端な位置に設定することができるようになり、前進・後退エキセントリックからの動きを異なる比率で組み合わせてバルブを短いトラベルで駆動し、1行程での蒸気の供給を早くカットオフしてシリンダー内に供給される蒸気の量を減らし、ボイラーから吸気し続けるのではなく蒸気自体の持っている膨張力を使うことができるようになった。出発時や勾配を登る時には長いカットオフ、通常は最大出力の70 - 80%くらいで動かして、勢いがつくにしたがって、蒸気の膨張を利用して燃費をよくしリードを長くし行程末端で高い圧力による緩衝効果が得られるように、カットオフを短くしていくということが標準的な習慣となった。このプロセスはリンキング・アップ(linking up)とかノッチング・アップ(notching up)とよく呼ばれる。後者は、逆転リバーを正確な位置に保つために刻まれたノッチに合わせることから言われるようになり、回転式逆転ハンドルになった後にも使われ続けた言葉である。スチーブンソン式のさらなる長所は、他の多くの方式には無い、可変のリードである。ギアの位置に応じて、低速でフルギアにして動いている時にはピストンの行程の末端で圧縮や背圧をかなり減らすことが可能であり、勢いがついてカットオフが短くされた時には、リードが自動的に早められて圧縮量が増え、ピストンの行程の末端でのクッション効果を発揮し、また残存している蒸気の温度を維持して次に吸気行程が始まった時に入ってきた蒸気の温度が下がることを防ぐことができる。
アメリカの機関車では、一般に台枠内側に設置された内側スチーブンソン式弁装置が1900年前後まで用いられ、その後急速にワルシャート式弁装置が普及した。ヨーロッパでは動輪の外側に設置してエキセントリックまたはリターンクランクで駆動するか、主にイギリスで用いられたように台枠内側に設置して動軸からエキセントリックで駆動された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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