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チェビシェフフィルタ()は、フィルタの一種で、バターワースフィルタに比べてロールオフが急勾配で、通過帯域にリップル (en) がある場合(第一種)と除去帯域にリップルがある場合(第二種)がある。チェビシェフフィルタは、理想的なフィルタ特性と実装との間で誤差を最小化するという特徴を持つが、通過帯域にリップルがある。その数学的特性がチェビシェフ多項式から導き出されたものであることから、パフヌティ・チェビシェフの名を冠せられている。 チェビシェフフィルタには通過帯域のリップルがつきものであるため、方形波など高調波を含む信号については通過帯域の応答特性、特に群遅延特性が劣るチェビシェフフィルタの使用は難しい。〔LCフィルタの設計&製作 第4章 チェビシェフ型ローパス・フィルタの設計、森栄二、CQ出版社。ISBN 978-4-7898-3272-4〕一方、リップルは通過帯域におけるVSWRを保証する作用があるため、他の回路に接続した際にバターワースフィルタなどよりも信号のあばれが少なくなる。〔高周波技術センスアップ101 第10章 信号を選択するフィルタリング技術 センスアップ!、広畑敦、CQ出版社。ISBN 978-4-7898-3041-6〕 また、特定のフィルタ回路構成を指す用語ではなく、フィルタの応答特性を指す用語であるため、チェビシェフフィルタ特性(あるいはチェビシェフ特性)と呼ぶ場合もある。 == 第一種チェビシェフフィルタ == これは、最も一般的なチェビシェフフィルタである。利得(振幅)応答を角周波数 の関数としたとき、''n''次のローパスフィルタの特性は以下のようになる。 ここで はリップル係数、 は遮断周波数、 は ''n''次のチェビシェフ多項式である。 通過帯域は等リップル性を示し、そのリップルはリップル係数 で決定される。通過帯域ではチェビシェフ多項式は -1 から 1 の範囲で変化し、チェビシェフ多項式の2乗は 0 から 1 の範囲で変化するので、フィルタの利得は最大 ''G=1'' から最小 の間で変化する。遮断周波数 での利得は だが、そこから落ち込み続けて除去帯域となる。この様子を示したのが右図である。ただし、遮断周波数は一般に −3dBとなる周波数だが、チェビシェフフィルタでは成り立たない。 チェビシェフフィルタの次数は、アナログ回路でフィルタを実装したときのリアクタンス部品(コイルなど)の個数に等しい。 リップルはdBで与えられることが多い。 したがって、 のときリップルは 3dB となる。 複素平面の 軸上の零点を許せば、除去帯域のリップルが生じる代わりにロールオフがより急勾配になる。しかしこれは除去が不完全になることを意味する。そのようなフィルタを楕円フィルタと呼ぶ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「チェビシェフフィルタ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Chebyshev filter 」があります。 スポンサード リンク
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