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チェンバロは15世紀から18世紀のヨーロッパにおいて重要な鍵盤楽器であり、20世紀に復興され、今日では広範に演奏されている。本項ではこのチェンバロの歴史について述べる。楽器の構造、種類、楽曲などについてはチェンバロを参照のこと。 ==起源== チェンバロの起源は明らかでない。ニューグローヴ世界音楽大事典によれば、現在知られているもっとも古いチェンバロへの言及は、とあるパドヴァの法学生が1397年に書いた記述に見え、ヘルマン・ポールという人物が「クラヴィチェンバルム」(clavicembalum)という楽器を発明したと記されている。また、形として残る最も古い現存のチェンバロを表現したものは、北西ドイツのミンデンにあった1425年作の祭壇の彫像であるという〔"Harpsichord," ''Grove Music Online''.〕。 チェンバロが誰によりいつ発明されたにせよ、先行する形態にはいろいろなものが存在していた。鍵盤によって楽器を操作するという発想は、すでにオルガンにおいて実現されていたし、中世にはが広範に用いられていた。後のチェンバロと同様、プサルテリウムには金属弦が張られ、チューニングピンで張力が調節されており、ブリッジを通して響板に振動を伝え、聞える音量に拡大するという構造を持っていた。従って、チェンバロの発明の肝要な部分は、鍵盤の操作によって弦を弾くという構造を考え出すところにあった。14世紀はぜんまい仕掛けやその他の機械技術が発展した時代であり、チェンバロの発明にも充分な土壌が育っていたかもしれない。 ジャックが四角形のタングにはめ込まれたプレクトラムを支えるという標準的なチェンバロの構造は、時間をかけて他のさまざまな方式の中から生き残っていったものであった可能性は低くない。の記した楽器に関する1440年頃のラテン語写本には、ジャックのアクションの3つのタイプの詳しい図が掲載されており、ピアノのアクションの原始的な形態とも言いうる構造も掲載されている〔Stewart Pollens (1995) ''The Early Piano''.〕。 初期チェンバロにおけるもう一つの発達は、大きさの増大であった。プサルテリウムは手で持つ楽器であり、発達後のチェンバロよりはるかに小さい。初期のチェンバロは、音域においても弦長においても小さかったようである。これは、例えば、の『音楽概観』(''Musica getutscht'', バーゼル、1511年)の中にみることができる。ヴィルドゥングはそれぞれ「ヴァージナル」「クラヴィツィンバルム」、「クラヴィツィテリウム」として3つの楽器を紹介しており、それぞれの楽器は38鍵、40鍵、38鍵の音域を持っているが、これはいずれも後のチェンバロからみるとはるかに小さい。現代の製作家は、これらはいずれも「オッタヴィーノ」の一種であったろうと述べている。オッタヴィーノとは通常の音高よりもオクターヴ高くなるような小型の楽器で、弦長を短くすることで小さく作られている。オッタヴィーノはチェンバロ製作史の初期には一般的に見られる楽器であった〔Hubbard 1967, 特に pp. 165-166.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「チェンバロの歴史」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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