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チョバム・アーマー(Chobham armour)は1960年代に開発された複合装甲の一種であり、イギリスの戦車研究所があるイングランドサリー州の町チョバム・コモンの地名に由来する。当初は俗称であったが、現在ではセラミック製の装甲を持つ車両の代名詞ともなっている。かつてはバーリントン、ドーチェスターといった他の呼称も存在した。 チョバム・アーマーの詳細は今でも公開されていないが、セラミックタイルが金属製のマトリックスと呼ばれるケースに収められ、保持板と何層もの樹脂によって接着されているという構造は明らかになっている。セラミックの高い硬度により、高性能対戦車榴弾(HEAT)等の成形炸薬弾や運動エネルギー弾に対しては高い防御効果があるとされる。 現在までにチョバム・アーマーを装備していることが公表されている戦車はM1エイブラムス、チャレンジャー1/2だけである。チョバム・アーマーはイギリスのFV4211の開発に際して発明されたが、最初に実装されたのはアメリカのエイブラムス戦車であった。 == 防御性能 == 装甲に使われているセラミックの硬度が著しく高いため、成形炸薬弾頭や運動エネルギー弾(KE-penetrators)に対しては優れた防御効果を持つ。セラミックは(たとえ粉々になっても)貫通弾を阻止する高い能力を持っている。また、より軽量の対戦車ロケット弾に対してはシャッター・ギャップ効果と呼ばれる効果があり、ギャップと呼ばれるある速度域内にある限り、弾頭は速度を上げても貫通力を増すどころか、逆に弾頭自身を破壊する結果となるのである。セラミックは脆性材料であるため、金属を貫通する場合とは異なり、推進弾頭の着弾表面はスムーズにはならずぎざぎざの形状になるが、この形状によって著しく軸非対称な圧力が形成され、ロケット弾は推進方向は偏向される。 弾頭自体の質量が小さいロケット弾では、貫通力をロケットの推進力に頼っている部分が大きいため、推進方向の偏向によって貫通力は弱まり、これがさらなる推進方向の偏向を生む、という悪循環が弾頭自体が破壊されるまで続くのである。 最新の複合装甲では、装甲を構成するタイルの内部に層構造を施し亀裂偏向と呼ばれる現象を引き起こすことで、シャッター・ギャップ効果を最大限に高めている。ロケット弾の推進エネルギーをロケット弾自体の破壊に利用するというこのチョバム・アーマーの特長は爆発反応装甲ともよく比較されるが、この効果を積層装甲(ゴム等の軟材料を装甲板で挟みサンドイッチ構造とした装甲)やそれに類する装甲の持つ防御効果と混同してはならない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「チョバム・アーマー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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