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ナマの事実(ナマのじじつ、)とは、哲学の分野で使われる言葉で、それ以上基礎的な何かによっては説明されないような事実のこと。 この概念は哲学の様々な領域で使用されるが、大きく分けて形而上学・認識論などの文脈で使われる場合と、倫理学・価値論・行為論などの文脈で使われる場合とがある。この両者で若干背景とする問題意識が異なる。 形而上学や認識論などの文脈で使用される場合、「理由や根拠のある事実」と対置されて、「理由も根拠もなくただ受け入れることしかできない事実」の意味で用いられる。こうした事実があるとした場合、それは「何事も理由なくは起こらない」「すべてのことにそうであることの十分な理由がある」という充足理由律に対する反例を構成する。そうした事実があるのかないのか、またあるとしてそれはどのようなものなのか、それは私たちが行う説明という行為や、知識や理解といったこととどのように関わってるくるのか、すなわち世界はどこまで理解可能か、説明可能か、といったことと関わる。 一方、倫理学・価値論・行為論などの文脈では、制度的・評価的・規範的事実などに対立する概念として、解釈の余地のない事実、物理的事実といった意味で使用される。これは行為そのものと、その行為の意味や価値などを分ける、すなわち「である/べきである(is-ought)」的な対立枠を想定した場合における、「である」的な記述という意味をおおよそ持つ。こうした意味で使われる場合、bare fact (ベア・ファクト、裸の事実)と言われることも多い。 == 訳 == この概念は英語ではbrute fact(ブルート・ファクト)と言うが、日本語ではこれといった定まった訳がない。 brute(ブルート) とは「知性のない」「感覚のない」「野蛮な」「ケモノじみた」といった意味を持つ言葉で、対義語は「理性的」「人間的」といった言葉である。つまりこの言葉は直訳すると「知性のない事実」「感覚のない事実」「野蛮な事実」「ケモノじみた事実」といった意味を持っている。 日本の哲学者がこの言葉にあてている訳としては「根拠なく受け入れねばならない事実」「根拠なき事実」「生々しい事実」「厳然たる事実」などがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ナマの事実」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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