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バージェス動物群(バージェスどうぶつぐん)は、カナダのブリティッシュコロンビア州にあるバージェス頁岩の中から化石として発見された動物群である。バージェス頁岩動物群(バージェスけつがん-どうぶつぐん)とも呼ばれる。 == 概要 == 約5億3000万年前(カンブリア紀中期)のものとされ、これは、カンブリア爆発よりもやや後の時代である。嫌気性の高い粘土状態で急速に化石となったらしく、軟体部がよく保存され、体の組織が観察される。また、通常は化石に残らないような軟体性の動物の化石がきれいに残っていることでも注目を受けた。 バージェス頁岩をカナディアン・ロッキーの高所(2300メートル)で最初に発見したのは米国の古生物学者であるチャールズ・ウォルコットで、1909年のことであった。彼は翌年には本格的な発掘を開始した。1910年 - 1913年と1917年にわたって発掘調査を行い、さらに1919年と1924年にはくず岩の再確認を行った。その結果、彼は65000個を超える化石を収集した。それは今も国立自然博物館に保存されている。主要な動物については彼によって記載が行われた。彼は、それらの動物を現存する分類群の動物の祖先的形質を多くあらわしたものとして記載し、主に節足動物の初期の進化の系譜を示すものと考えた。エディアカラ動物群と比較すると大型化していると共に硬い外皮を持ち、泳ぎ回ることができた〔谷合稔著『たくさんの生命を育む地球のさまざまな謎を解き明かす! 「地球科学」入門」』ソフトバンククリエイティブ 2012年 79ページ〕。 ところが、1966年から、ハリー・ウィッチントンを中心とする研究グループがこれらの化石の再調査を行なって1万個を超す標本を得た結果、これらの化石動物が、節足動物ではあっても既存の分類群に当てはまらないものが多く、中には門そのものの帰属すらはっきり確定できないものが多数あることを明らかにした。これによってそれまでのカンブリア紀の海中生物相への認識が一変してしまった。 しかも、この知見に基づいてスティーヴン・ジェイ・グールドが著した『ワンダフル・ライフ - バージェス頁岩と生物進化の物語』が大変な反響を呼んだことで、この動物群の名は一般にまで広く知られることになった。彼は、そのようにして発見された現在の動物門の枠組みには収まりきらない動物のことを奇妙奇天烈動物(きみょうきてれつ-どうぶつ)と呼び、カンブリア紀動物相の現在との異質性を主張した。もっとも、彼の主張は、古い時代だから原始的で単純な動物ばかりだったということではない。むしろ、今は残っていない体制の動物門が多数いたということ、そして、環境の変化に対応しきれなかった出来損ないであったがために絶滅したのではない、ということであった。 その後、彼の意見に対しては専門家からの反発が強く、それほどの異質性はないとの主張も多く見られる。ウィッチントンと共に研究を進めたコンウェイ・モリスらも、いわゆる奇妙奇天烈生物の大部分は現生の動物群やその傍系(脇道の系統)として理解できるとして、グールドの見方に反対を表明している。 同時代の化石群は、その後中国雲南省昆明近くの帽天山(澄江動物群)や、オーストラリア(カンガルー島のエミュー・ベイ頁岩)、グリーンランド(シリウス・パセット動物群)などからも発見され、広く生息していたことが分かった。この時代の動物相について、より詳しい情報が得られつつあることもあり、今後の検討によってまた評価が変わることもあるかも知れない。 バージェス頁岩産地は、1981年、ユネスコの世界遺産に登録された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「バージェス動物群」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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