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バーデン大公国邦有鉄道IVh型蒸気機関車(バーデンたいこうこくほうゆうてつどうIVhがたじょうききかんしゃ、)は、バーデン大公国邦有鉄道の車軸配置2'C1'(パシフィック)の急行用蒸気機関車である。後にドイツ国営鉄道(ドイツ国鉄)18.3形〔ドイツ国鉄では、日本国鉄であれば“18形300番台”と形式区分を表記されるであろう、“18 3xx”(xxは任意の数値)という番号の車両の形式称号を“183形”ないしは“18.3形”、と基幹形式名と区分番台の100の位以上の数値を組み合わせて表記する。このため例えば“18 314号機”は“183形14号機”ないしは“18.3形14号機”とも表記されることになる。一般に日本で出版されている書籍等では前者が用いられることが多いが、本項では可読性を重視し、この脚注を除き全て後者を用いて表記している。〕となった。 == 製造経緯 == 20世紀初頭、バーデン大公国邦有鉄道では国内鉄道網整備の推進や輸送需要および列車単位の増大などに対応すべく、隣国バイエルンの首都ミュンヘンに本社工場を置くドイツでも有数の機関車メーカー、J.A.マッファイと協力して高速旅客列車牽引用機関車の新規開発が行われていた。その過程で1902年には当時最新のフォン・ボーリース(von Borris)式複式機関車4気筒〔1899年に、当時プロイセン邦有鉄道の技師長(Chief Mechanical Engineer:CME)であったアウグスト・フォン・ボーリース(August von Borries:1852–1906)が完成した複式蒸気機関の一方式。〕と飽和式煙管ボイラーを組み合わせたテンダー機(軸配置2'B1')であるIId型〔後のドイツ国鉄14.4形。Nos.733 -744の12両が1902年にJ.A.マッファイによって製作され、さらに1905年から1906年にかけてカールスルーエ機械製造によってNos.745 - 750の6両が追加製作されている。〕が完成し、1907年にはドイツ初となる車軸配置2'C1'(パシフィック)とやはり当時最新の技術であったシュミット式過熱装置を採用したIVf型がJ.A.マッファイ社の製造部長であったアントン・ハンメル (Anton Hammel 1857 - 1925)の設計〔J.A.マッファイ社は設計と試作車3両の製作のみを担当し、量産車32両はカールスルーエ機械製造が製作を担当した。〕により、完成していた。 特にIVf型は当時最新最強の機関車であり、オーデンヴァルトやシュヴァルツヴァルトなどに急勾配区間を擁するバーデン大公国邦有鉄道の路線条件に適した1,800 mm径の動輪を備え、その主力機関車として大きな成功を収めていた。だが、この当時のドイツ国内を見渡すと、隣国バイエルンの邦有鉄道をはじめ高速旅客列車牽引用蒸気機関車ではそれより大きな1,870 mmから2,100 mm程度の直径の動輪を備えるのが一般的で、事実バーデン大公国邦有鉄道においても、先行するIId型は2,100 mm径の動輪を備えていた。そのため、平坦線主体で連続高速運転を強いられるのバーゼル - マンハイム間の運用において、代替対象となるIId型と同様の最高速度での運転を実施するには、このIVf型は小さな動輪径による速度の不足を補うべくシリンダーの往復速度と動輪回転数を引き上げるという対策を採る必要があり、次第に弁装置を中心とする各機構部に故障が多発する状況となっていた。 そこで、バーデン大公国邦有鉄道は1915年にライン川沿いの平坦線での高速運用に適した、IVf型の後継となる新型機関車を再びJ.A.マッファイへ発注、まず以下に示す試作車3両が完成した。 * Nos.49・64・95 :1918年、J.A.マッファイ・ヒルシュアウ工場製。 続いて量産車が発注され、2回に分けて以下の17両が製作・納入された。 * Nos.1000 – 1016 :1920年、J.A.マッファイ・ヒルシュアウ工場製。 先行するIId型・IVf型はいずれも当初J.A.マッファイが製作を担当し、バーデン大公国の国内機械産業育成方針から、増備車や量産車は首都に本拠を置く地元機関車メーカー、がJ.A.マッファイのライセンスの下で製作する、というパターンを採っていたが、本形式は例外的に20両全車ともJ.A.マッファイが製作・納入している。 なお、本形式量産車が納入された1920年の4月には発注者であるバーデン大公国邦有鉄道がドイツ国営鉄道へ統合されており、本形式量産車の後半製作分はドイツ国営鉄道へ直接納入されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「バーデン大公国邦有鉄道IVh型蒸気機関車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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