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パルウ古細菌(-こさいきん、Parvarchaeota)とは、ARMAN及び近縁系統に対して2013年に提唱された古細菌の門である〔Rinke, C., Schwientek, P., Sczyrba, A., ''et al.'' (2013)“Insights into the phylogeny and coding potential of microbial dark matter,”Nature, 499(7459):431-7.〕。ユーリ古細菌門に含まれる見解では、パルウ古細菌綱とする場合がある〔Systema Naturae - Materials of Alexey Shipunov 〕。ナノ古細菌門(Nanoarchaeota)やコル古細菌門(Korarchaeota)と共に記載種を含んでおらず、暫定的な門である〔。命名の基になった"''Ca.'' Parvarchaeum"は、ラテン語の「パルウス(Parvus)」(ラテン語で小さい)と「アルカエウム(-archaeum)」(新ラテン語で古細菌を表す接尾辞)を合成したものである。 ==解説== この系統は2006年にアメリカ合衆国のIron Mountain Mineの強酸性の排水中から発見された〔。一方で、pH8.1のアルカリ温泉からも発見されている〔Murakami, S., Fujishima, K., Tomita, M., Kanai, A.(2012) Metatranscriptomic analysis of microbes in an ocean-front deep subsurface hot spring reveals novel small RNAs and type-specific tRNA degradation. Applied and Environmental Microbiology 78(4):1015-22.〕。前者は電子顕微鏡画像から非常に小型の細胞サイズを持つと考えられ〔Baker, B. J., Tyson, G. W., Webb, R. I., ''et al.''(2006)“Lineages of acidophilic archaea revealed by community genomic analysis,” Science, 314(5807):1933–1935.〕、またテルモプラズマ目に付着する様子が観察されている〔。 記載種はなく、単離もされていないが、2010年にはメタゲノム解析により''Ca.'' Micrarchaeum acidiphilum、''Ca.'' Parvarchaeum acidiphilum、''Ca.'' Parvarchaeum acidophilusの3つの未記載種について全ゲノムの解読が報告された〔Baker, B. J. ''et al.''(2010)Enigmatic, ultrasmall, uncultivated Archaea. Proc. Natl Acad. Sci. USA, 107(19):8806-11.〕。ゲノムサイズはおおよそ80万~100万bpであり、古細菌としては''Ca.'' Nanoarchaeum equitans(ナノ古細菌)に次いで小型である。古細菌COGsとの一致は66%以下と異常に割合が小さいことも特徴である〔。 当初の16S rRNA系統解析では、ユーリ古細菌の内部に入る系統解析例が多かったが〔、上記のゲノム情報を利用した解析では、ナノ古細菌〔Spang, A., ''et al.''(2013)Close Encounters of the Third Domain: The Emerging Genomic View of Archaeal Diversity and Evolution. Archaea, 2013:202358.〕に近接する報告がある。また、ナノ古細菌などと共にDPANN(Diapherotrites, Parvarchaeota, Aenigmarchaeota, Nanohaloarchaeota, ナノ古細菌)と呼ばれる系統を構成するという〔〔Nikolaki, S., Tsiamis, G.(2013)Microbial diversity in the era of omic technologies. Biomed Res Int. 2013:958719.〕。DPANNは細胞サイズやゲノムサイズが小さいという特徴がある〔。一方で、ユーリ古細菌の内部に入るとする報告もあり、地位は確定していない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「パルウ古細菌」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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