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数学におけるフィッシャーの方程式(フィッシャーのほうていしき、)あるいはフィッシャー=コルモゴロフ方程式またはフィッシャー=KPP方程式として知られる方程式は、ロナルド・フィッシャー(およびアンドレイ・コルモゴロフ)の名にちなむ、次の偏微分方程式のことを言う: : フィッシャーはこの方程式を、優性アレルの空間伝播を表現するために提唱し、その進行波解を発見した〔Fisher, R. A., ''The genetical theory of natural selection''. Oxford University Press, 1930. Oxford University Press, USA, New Ed edition, 2000, ISBN 978-0-19-850440-5, variorum edition, 1999, ISBN 0-19-850440-3〕。任意の波速度 ''c'' ≥ 2 に対し、フィッシャーの方程式には次の形式で記述される進行波解が存在する: : ここで は増加函数であり、 : が成立する。すなわち、この解は平衡状態 ''u'' = 0 からもう一つの平衡状態 ''u'' = 1 へと移るものである。但し、''c'' < 2 に対してはそのような解は存在しない〔R. A. Fisher. "The wave of advance of advantageous genes" , ''Ann. Eugenics'' 7:353–369, 1937.〕〔A. Kolmogorov, I. Petrovskii, and N. Piscounov. A study of the diffusion equation with increase in the amount of substance, and its application to a biological problem. In V. M. Tikhomirov, editor, ''Selected Works of A. N. Kolmogorov I'', pages 248–270. Kluwer 1991, ISBN 90-277-2796-1. Translated by V. M. Volosov from Bull. Moscow Univ., Math. Mech. 1, 1–25, 1937〕〔Peter Grindrod. ''The theory and applications of reaction-diffusion equations: Patterns and waves.'' Oxford Applied Mathematics and Computing Science Series. The Clarendon Press Oxford University Press, New York, second edition, 1996 ISBN 0-19-859676-6; ISBN 0-19-859692-8.〕。与えられた波速度に対し、その波形は一意に定まる。 特別な波速度 に対して、すべての解は閉形式 : で記述される〔Ablowitz, Mark J. and Zeppetella, Anthony, ''Explicit solutions of Fisher's equation for a special wave speed'', Bulletin of Mathematical Biology 41 (1979) 835–840〕。ここで は任意であり、上述の極限についての条件は に対して成立する。 フィッシャーの方程式は、ことによると、半線型反応拡散方程式 : の最も簡単な例かも知れない。ここでその方程式は、 で与えられる平衡状態の間を移る進行波解を見せるものである。そのような方程式は、例えば、生態学、生理学、燃焼、結晶化、プラズマ物理、および一般的な相転移の問題において現れる。 進行波解の存在の証明や、それらの性質の解析は、しばしば位相空間法によって行われる。 == 参考文献 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フィッシャーの方程式」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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