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ベレー帽 : ミニ英和和英辞書
ベレー帽[ベレーぼう]
(n) beret
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ベレー帽 : [べれーぼう]
 (n) beret
: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
ベレー帽 : ウィキペディア日本語版
ベレー帽[べれーぼう]

ベレー帽(ベレーぼう、)は、軟らかく、丸くて平らな、鍔や縁のない帽子である。ウールフェルト製が多いが、様々な素材で作られる。
ベレー帽の形は、かつては、円周が比較的小さな「バスク・ベレー」と大きな「ブレトン・ベレー」とに分けられたこともあったが、今日では、頂点のチョボ(ポッチ)と内側のビン革(スベリ)があるバスクベレーと、それらがなく、かぶり口にトリミングが施されたアーミーベレー(ミリタリーベレー、モンティベレー〔「モンティ」というのはモントゴメリー将軍のニックネームで「モントゴメリー・ベレー」とも呼ばれる。〕)に分類されるのが一般であろう。もっとも、両者の中間を含め、様々なデザインのものがある。
チョボは、布を用いず、羊毛の繊維束を木型の上に放射状に並べて織る伝統的なベレー帽製造工程において、束の要(中心)となった部分(の反対側を切り落としたもの)であったが、今日では、伝統的な作り方をしていないものでも付けられることがある。
== 由来と普及 ==
日本ではフランス人の帽子、特に画家の帽子としてイメージされてきた。一般にはスペインフランス国境のバスク地方発祥と言われる〔鹿島茂『クロワッサンとベレー帽 ふらんすモノ語り』(中央公論新社)。〕。鍔や縁のない被り物は、青銅器時代には使用されていたとされるが、今日でも用いられる正統的なバスクベレーの原型は、中世以前、古代ローマ時代からフランスベアルン地方で、日よけ・風よけなどの実用品として被られていたという。それが、同じピレネー山脈のフランス・スペイン国境のバスク地方でも広く使われるようになり、さらに貴族や都市住民、農民やランツクネヒトによっても用いられた。のちにバスク地方を訪れたナポレオン3世が「ベレー・バスク」と呼んだことから、同地方の帽子として、フランス、スペイン、イタリアをはじめ世界中に広まった。そして、第二次世界大戦頃からアーミー・ベレーが軍隊に普及し始め、現在では世界各国の軍隊及び一般で用いられている。
ベレーはまた、ピカソロダンをはじめとする画家などの芸術家にも愛用されてきた歴史がある。日本においては戦後手塚治虫藤子・F・不二雄などの人気漫画家たちがベレー帽を自らのトレードマークとし、漫画家の間でベレー帽が流行した時期があった、という記述もある〔横山隆一が特に愛用したことが流行の一因になったとしていう。昭和初期の「新漫画派集団」の制帽として、そのマーク(SMS)にもデザインされていた。〕〔さいとう・たかをは現在でも、ベレー帽をかぶった自画像をトレードマークとしている(さいとうプロ公式サイト メインページ :左上を参照)。〕。
軍隊や警察・官公庁では、所属や階級等を表す徽章(ベレーバッジ)を付けることが一般的である。また、所属機関・部隊等によって識別のため帽体生地の色を変えている場合もある。
アメリカ陸軍では当初は、特殊(緑)・第75レンジャー連隊(黒)・空挺(栗色)の各部隊に所属する将兵にのみ着用を認め(つまり特殊技能者、エリートの証明。ベレー姿の場合、靴は革靴ではなくブーツ着用を義務付けられた)、一般軍人の略帽としてはギャリソンキャップを採用することが多かったが、次第にベレー帽が主流となった。1975年ジョン・ウェイン主演の映画『グリーン・ベレー』が作られ有名になった。2001年に時の参謀総長エリック・シンセキによって一般部隊にも導入が命じられたが、将兵たちからは「両手を使わないと被れない」と不評で、2011年からは迷彩のパトロールキャップに改められている。特にバンクロフト社の製品が各国で採用されていることで有名である。アメリカ空軍は水色のベレーが略帽である。陸上自衛隊でも1992年に略帽としてベレー帽を採用した。また軍隊だけでなく、日本のボーイスカウトでは制帽として採用されている。
1991年秋には日本の国会でベレー帽論争があった。当時社会党所属の衆議院議員長谷百合子が衆議院規則で禁じられている帽子をかぶって本会議に出席し、賛否両論を起こした。長谷は新宿のゴールデン街でバーを開業していていた経歴の持ち主で、ベレー帽はトレードマークだった。議場で帽子や外套、襟巻きなどを身につけてはいけないとの規則があるのは当選後に知ったという。ところが1986年に来日したダイアナ妃が帽子をかぶって衆院本会議場に臨席していたことも判明した。「帽子はファッションの一部。石頭国会に挑戦する」と行動に打って出たが、「国賓」だから別という意見も出て、長老議員らの説得でベレー帽は自粛した〔「余録」(毎日新聞2014年 10月19日)。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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