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ボヘミアの醜聞 : ミニ英和和英辞書
ボヘミアの醜聞[ぼへみあのしゅうぶん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

醜聞 : [しゅうぶん, すきゃんだる]
 【名詞】 1. scandal 

ボヘミアの醜聞 : ウィキペディア日本語版
ボヘミアの醜聞[ぼへみあのしゅうぶん]

ボヘミアの醜聞」(ボヘミアのしゅうぶん、原題:"")は、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち最初に発表された作品である。『ストランド・マガジン』1891年7月号初出。1892年発行の短編集『シャーロック・ホームズの冒険』(''The Adventures of Sherlock Holmes'' ) に収録された〔ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、315頁〕。
長編『緋色の研究』『四つの署名』に続いて発表されたシャーロック・ホームズシリーズの第3作目。「ボヘミアの醜聞」をはじめとするシリーズの短編は『ストランド・マガジン』に連載され、シドニー・パジェットの挿絵とともに読者の支持を得た。日本語版では、訳者により「ボヘミア国王の醜聞」という邦題も使用される。
== あらすじ ==

シャーロック・ホームズには、いつでも「あの女性」と呼ぶ人がいる。
結婚して開業医に戻っていた伝記作家のジョン・H・ワトスンは、往診の帰り道、独身時代に私立諮問探偵のシャーロック・ホームズと共同生活を送っていたベーカー街221Bの前を通り掛かる。懐かしさから部屋を訪ねると、再会したホームズはワトスンを観察し、太ったことから結婚生活が似合っているようだと評し、さらに最近ワトスンが風邪を引いたことなどを推理し的中させる。そして上質な紙の手紙を見せ、間もなく依頼人が来ると話す。やがて立派な馬車が乗り付け、顔に仮装用のマスクを付けた男が部屋に通されてきた。
マスクの男はフォン・クラム伯爵と名乗り、ボヘミア王家の問題で代理人としてきたと言うが、ホームズは伯爵の正体がボヘミア国王〔本作品発表当時、ボヘミア王国ハプスブルク家オーストリア・ハンガリー帝国領であり、単独のボヘミア王は実在しない。〕その人であると見抜く。伯爵はボヘミア王であると認めてマスクを取り、依頼の内容を語り出す。
5年前、皇太子であった王はアイリーン・アドラーと交際していた。アイリーンはコントラルト歌手でオペラのプリマドンナである。王は近くスカンディナヴィアの王女と結婚することが決まったのだが、そこへアイリーンが、二人で撮影した写真を王女へ送りつける、と脅迫してきたのである。写真が送られれば破談は必至であり、王は写真を取り戻すために人を雇う。しかし、家捜しや強盗まで行なわせたにもかかわらず、写真を見つけることはできなかった。写真を送ると予告された婚約発表の日が迫り、自らホームズへ依頼に来たのであった。
写真を取り戻す依頼を引き受けたホームズは、馬扱い人に変装して情報を集め、ゴドフリー・ノートンという弁護士の男が毎日アイリーンを訪ねていることを知る。アイリーンの家を見張っていたホームズは、訪ねてきたノートンとアイリーンが馬車で移動するのを追跡し、セント・モニカ教会に辿り着く。教会にはアイリーン、ノートン、牧師の3人がいて、入ってきたホームズに協力を要請する。これはホームズにとっても想定外の出来事で、アイリーンとノートンが結婚する立会人をさせられてしまったのだった。
結婚した二人が新婚旅行などで出かけると取り戻すのは難しくなる。ホームズはすぐに行動を起こすことを決め、ワトスンに助力を頼む。写真が家の中にあると推理し、アイリーン自身にその場所を教えてもらおうというのである。
家へ戻ってきたアイリーンが馬車から降りようとしたとき、周囲で男たちの喧嘩が始まった。喧嘩に巻き込まれそうになったアイリーンを、聖職者に変装したホームズが守ろうとして、負傷する。顔から大量の血を流して倒れたホームズは、アイリーンの家へと運び込まれた。
一部始終を見守っていたワトスンは、ホームズの合図で発炎筒を家の中に放り込み、野次馬たちと声を合わせて火事だと叫ぶ。その声を聞き、立ちこめる煙を見たアイリーンは、とっさに最も大事なもの、写真を取り出そうとしてしまい、ホームズにその隠し場所を知られる。ホームズの負傷は家へ入りこむための芝居であり、喧嘩をはじめた男たちや野次馬は、みなホームズが手配していたのである。
隠し場所を知ったホームズは、明日ボヘミア王と一緒に家を訪ねて写真を取り戻すことにして、ワトスンと二人でベーカー街へ戻る。ホームズがドアの前で鍵を開けようとしたとき、通行人の青年からおやすみなさい、と声をかけられる。しかし、青年が誰なのかはホームズにも分からなかった。
翌日、ホームズとワトスンは王を伴いアイリーンの家を訪れるが、アイリーンの姿はない。残っていた使用人から、アイリーンはノートンと共に大陸へ旅立ったという伝言を聞かされる。慌てて確認した隠し場所には、手紙とアイリーン1人だけの写真が残されていた。昨日の騒動の後、負傷した聖職者がホームズだと気付いたアイリーンは、男装してベーカー街まで尾行し正体を確認すると、挨拶の声をかけて立ち去ったのであった。手紙には、夫ノートンと相談した結果、ホームズが相手では逃げるしかないと考え、姿を消すと書かれていた。王と撮った写真に関しては、結婚した身であり悪用する意図はもはやなく、お守りとして手元におきたいという。その代わりとして、アイリーン1人だけの写真を、手紙と共に残していったのだった。
アイリーンの手紙を読んだ王は、身分さえ吊り合っていたなら立派な王妃になっただろう、と嘆息する。ホームズは写真を取り戻すことができなかったと謝罪するが、王は写真は焼いたも同然に安心で依頼は果たされたと述べ、とりあえずの謝礼として填めていたエメラルドの指輪を渡そうとする。しかしホームズは、王の持ち物にはもっと貴重なものがあり、それが欲しいと言う。その貴重なものとは、アイリーンの写真であった。
この事件以降、ホームズが女性の知恵を馬鹿にしたりすることはなくなった。ホームズにとって、アイリーン・アドラーはいつでも「あの女性」なのである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ボヘミアの醜聞」の詳細全文を読む




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