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ボルジギン氏 : ウィキペディア日本語版
ボルジギン氏[ぼるじぎんし]

ボルジギン氏(Borjigin)は、モンゴル帝国のカアン(ハーン)の家系となった氏族モンゴル帝国国姓である。
12世紀頃、モンゴル高原北東部において一大勢力を築いたモンゴル部の有力氏族で、ボドンチャルという人物を始祖とする男系の子孫たちからなる。この氏族は史上初めて全モンゴル部族を支配したとされるカブル・カンを出して以来、モンゴル部のカン(王)を独占した。そして13世紀にモンゴルのチンギス・カンがモンゴル高原の全遊牧部族を統一してモンゴル帝国を興してから後はモンゴル高原で最も高貴な氏族とみなされるに至る。チンギス・カンの男系子孫は現在まで連綿と続いているため、現在のモンゴル国中華人民共和国においても氏族の名は残っている。
== ボルジギン氏の始祖説話 ==

ボルジギン氏の始祖説話は、チンギス・カンの一代記である『元朝秘史』の冒頭に掲げられたチンギスの系譜伝承に詳しい。
これによれば、その根源は天の命令を受けて生まれ、大湖(バイカル湖)を渡ってオノン川上流のブルカン岳にやってきた「ボルテ・チノ」(「蒼き狼、すなわち灰色斑模様の狼」の意)とその妻なる「コアイ・マラル」(「白い鹿」の意)であった。そしてボルテ・チノの11代後の子孫ドブン・メルゲンは早くに亡くなるが、その未亡人アラン・ゴアは天から届いた光に感じて、夫を持たないまま3人の息子を儲けた。チンギス・カンの所属するボルジギン氏の祖となるボドンチャルはその末子である、という。
この説話は、ボルジギン氏は天の子孫であって、ボルテ・チノを始祖とする他のモンゴル部族とはやや出自が異なり、高貴な家柄であることを語ろうとするものと解される。
そして『元史』や『集史』によれば、ボドンチャルの4代目の子孫カイドゥが幼かったとき、一族は契丹)の征伐を受けてボルジギン氏の牧地にやってきたジャライル部族と紛争を起こして、カイドゥを除く家族のほとんどが殺害された。バイカル湖東岸に逃れたカイドゥは、バルグト(現在のブリヤート)の助けを得てこの地に勢力を築いた、という。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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