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ユーバーリンゲン空中衝突事故 : ミニ英和和英辞書
ユーバーリンゲン空中衝突事故[ゆーばーりんげんくうちゅうしょうとつじこ]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
: [そら]
 【名詞】 1. sky 2. the heavens 
空中 : [くうちゅう]
 【名詞】 1. sky 2. air 
空中衝突 : [くうちゅうしょうとつ]
 (n) midair collision
: [なか]
 【名詞】 1. inside 2. middle 3. among 
: [しょう]
 (n) important point (e.g., on a route)
衝突 : [しょうとつ]
  1. (n,vs) collision 2. conflict 
: [こと]
 【名詞】 1. thing 2. matter 3. fact 4. circumstances 5. business 6. reason 7. experience 
事故 : [じこ]
 【名詞】 1. accident 2. incident 3. trouble 4. circumstances 5. reasons 
: [ゆえ]
  1. (n-adv,n) reason 2. cause 3. circumstances

ユーバーリンゲン空中衝突事故 : ウィキペディア日本語版
ユーバーリンゲン空中衝突事故[ゆーばーりんげんくうちゅうしょうとつじこ]

ユーバーリンゲン空中衝突事故(ユーバーリンゲンくうちゅうしょうとつじこ、)とは、2002年7月1日の21時35分 UTCバシキール航空2937便(機体:Tu-154M、乗客60人大半は子供と乗員9人が搭乗)とDHL611便(機体:ボーイング757-23APF、パイロット2人が搭乗)が、ドイツ南部にあるとの上空で衝突した事故である。両機に搭乗していた71人全員が死亡した。
2004年5月19日に連邦航空機事故調査局 (BFU) は、この事故は事故当時これらの便を監視していたスイスの航空管制システムの欠陥とTCAS(航空機に搭載される衝突防止装置)の使用における曖昧性により発生したという結論を発表した。
== 事故の概略 ==
バシキール航空2937便はロシア連邦バシコルトスタン共和国ウファ発、モスクワ経由スペインバルセロナ行きのチャーター便であり、1995年製造のTu-154M型機(機体記号:RA-85816)で運航されていた。バシキール航空はバシコルトスタンの首都・ウファに本拠地を置く航空会社である。
2937便には乗員9名(運航乗務員5名・客室乗務員4名)、乗客60名の計69名が搭乗していた。乗客の大半は選抜試験に合格した褒賞として、スペインへのツアーに招待されたウファ市内の小中学生および引率の教師たちで、同国大統領府および政府閣僚の子どもたちも含まれていた。彼らはバルセロナで開催されるユネスコフェスティバルに参加した後、カタルーニャ地方のリゾート地で休暇を過ごす予定であった。報道によれば、45人は6月29日に陸路モスクワに到着し、同日中にバルセロナ行きの定期旅客機でスペインに向かうはずであったが、その便に乗り遅れてしまったため、急遽2937便をチャーターしてスペインに向かった。
DHL611便は、バーレーンイタリアベルガモ経由ベルギーブリュッセル行き定期貨物便で、事故当日は1990年製造のボーイング757-200PF型機(機体記号:A9C-DHL、バーレーン籍)で運航されていた。611便にはイギリス人の機長とカナダ人の副操縦士の2名が乗務していた。
晴天の夜の中、2937便はドイツ領空をほぼ真西(方位274度)で高度36000フィート、611便はスイス領空をほぼ真北(方位004度)に高度32000フィートで飛行していた。611便は事故の12分前、高度36000フィートへ上昇したい旨管制に要求し、8分50秒前には許可を得て36000フィートに上昇した。両機はいわゆるコリジョンコースにあったが、この時点では両機の間には十分な間隔があった。611便は程なくドイツ領空に到達したが、ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州南部の当該空域はスイスの管制区域となっており、事故当日もチューリッヒにある民間航空管制会社であるスカイガイド社によって管制されていた。
事故当時、スイス領空全域およびドイツ領空南部を管制していたのはただ1人のスイス人管制官であった。彼は当該空域の高高度空域およびドイツ南部のフリードリヒスハーフェン空港への進入管制を同時に担当していた。普段であれば、管制管轄域内で飛行機が異常接近したりした場合警告が作動するはずであるが、この日は機器点検のため機能が大幅に限定されており、警告は無効となっていた(後述)。管制官はこの事実に気づかず、フリードリヒスハーフェンへの進入管制におよそ5分間かかりっきりになった。
衝突50秒前、2937便と611便の双方の空中衝突防止装置(TCAS)が他方の機影を捉えた。43秒前、管制官は611便と2937便とが同高度で非常に接近していることに気づき、2937便に「交錯する機があるので早急にフライト・レベル350へ降下せよ(''The BTC2937, äh descend flight level äh...350, expedite, I have crossing traffic'')」と指示する。36秒前、双方のTCASが警告を発し、611便には降下、2937便には上昇して回避するよう指示する。2937便の乗員が管制の指示に応答しなかったため、29秒前に管制官は再度2937便に降下するよう指示した。2937便のTCASは上昇を指示していたが、2937便の乗員たちは管制官の指示が正しいものと信じて降下を開始した。他方611便は、TCASを信じて直ちに降下を開始した。
衝突18秒前、611便のTCASはさらに緊急度の高い指示である降下率増加(''Increase descent'')を発報し、611便はTCASに従った。この時、611便はTCASの作動により緊急降下中であることを管制に通報しようとしたが、衝突13秒前、管制官が2937便に対し、611便が2937便からみて2時の方向から飛来する旨連絡を行ったため、611便の通報は管制官に伝わらなかった。このため管制官は、実際には611便と2937便の双方が降下していることに最後まで気づかなかった(乗員からの通報を受けない限り、TCASが作動しているか否かを管制が知ることはできない)。管制官は2937便が降下を開始した旨の通報を受け、衝突が回避されたものと信じ、衝突8秒前にフリードリヒスハーフェン空港の進入管制に戻った。
611便の乗員は、衝突27秒前には2937便の航法灯を2時の方向に視認した。一方の2937便は、実際には611便が10時の方向から飛来したにもかかわらず、管制が誤って2時の方向から飛来と告げたために右前方を10秒間近く注視しつづけ、衝突8秒前まで611便を視認することができなかった。
衝突6.5秒前、2937便のTCASは上昇率増加(''Increase Climb'')を指示した。2937便は指示された高度35,000フィートを下回る高度をなお高速で降下しており、衝突2.8秒前には操縦輪が機首上げ方向に一杯に引かれたが、午後11時36分32秒、611便と2937便はバーデン=ヴュルテンベルク州ユーバーリンゲンの上空高度34,890フィートで、611便の垂直尾翼が2937便の胴体を分断する形で空中衝突した。2937便は空中分解して墜落した。611便は衝突で方向舵を含む垂直尾翼の80パーセントを失い操縦不能に陥り、およそ2分間飛行を続けた後7km先の森林に70度以上の機首下げ姿勢で墜落した。双方の機ともに生存者はなかった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ユーバーリンゲン空中衝突事故」の詳細全文を読む




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