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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
ユール(北欧語: 、)は、古代ヨーロッパのゲルマン民族、ヴァイキングの間で、冬至の頃に行われた祭りのこと。のちにキリスト教との混交が行われたが、北欧諸国では現在でもクリスマスのことをユールと呼ぶ。英語でもユールタイド(yuletide)〔デズモンド・モリス『クリスマス・ウォッチング』(扶桑社)「10 ユールタイドとは何か?」。〕と呼び、クリスマスの祝祭自体を指す言葉となったが、現在は古語とされている。北欧のユールには、キリスト教伝来以前の習慣と結びついた、独自の様々な習慣がみられる。 == ユール・ボード == ユールは元々は、北欧を含むゲルマン民族の祭りだった。ユールという語は10世紀の文献には登場する。古北欧語からの借入語で、キリスト教以前の冬至祭のことを指し、北欧では今もクリスマスを指す言葉となっている。冬至の、太陽が再び力強い生命を持つ日を新年とし、北欧神話の神々、それも豊穣と平和の神ヴァン神族ではなく、オーディンにビールや猪や豚などを捧げた。これは穀物霊に関わるためと言われている〔ユール Yule 北欧、ゲルマンの神話・民話:幻想世界神話辞典 〕。特に猪はフレイ神の象徴であり、神聖ないけにえとされた〔Gulevich, p. 533〕。現在でも北欧、ドイツのクリスマス料理は、豚肉がメインである〔。スウェーデンではユール・シンカと呼ばれる、オリーブ油と香辛料で長時間ハムを煮た後、蒸し焼きにした料理がふるまわれる。〔武田、70頁。〕ノルウェーではユールグリスというやはり豚肉料理〔武田、170頁。〕、フィンランドでも豚肉を用いる〔武田、212頁。〕。他にも牛乳粥や米粥を作る〔〔 クリスマスの料理を並べたテーブルは、ユール・ボードといい、この日に現れる霊たちに特別に用意された。季節や農作業の変わり目、特に冬至は、死者の霊、悪魔、魔女などが大挙して現れるといわれ、夜は、ユールレイエン(ワイルドハント)が現れた。1月6日の公現節までユール・ボードを用意しないと縁起が悪いと言われていた〔。ワイルドハントが広く信じられていたのは9世紀から14世紀の間で、特にクリスマスの12日間、公現節(十二夜)にはその勢いが増すと信じられていた。ノルウェーではガンドライド(魂の騎乗)とも呼ばれ、過去1年間に亡くなった人々の魂が空を駆け抜け、駆け抜けた地域の土地は肥沃になると信じられた。ガンドライドも、公現節のあたりに最も盛んになるといわれた〔Gulewich, pp. 514-516〕。 秋に行われる収穫祭は、来る冬をも暗示しており、収穫物は冬に備えて貯蔵された。冬の長い北欧では、太陽の再生を祈るための祭りが冬至の頃に行われ、中世には何日もかけて宴会をし、火を焚き、生贄をささげた。たき火(ボーンファイア)は暗闇や寒さと戦う太陽の象徴であった。人々は火の回りで歌ったり、飲み食いをしたりし、亡くなった人々の霊も宴席に参加すると言われた〔。 また、中世のイギリスでは、12月と1月を指すジウリ(Guili)という単語があり、これがユールの語源になったともいわれている。イギリスでは、ノルマン人がユールを持ち込んだとする説、元々イギリスでも祝われていたとする説と両方ある。イギリスでは、後のクリスマスで広まったような、ユールログを燃やしたり、小動物を狩ったり、緑の枝を飾ったりする習慣は早くから行われていた〔Gulewich, p. 534〕。 フィンランドではサウナに入る習慣がある。また、イブの夕刻に墓地での献火が行われる〔武田、210-211頁。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ユール」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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