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久美 京子(くみ きょうこ、1912年11月13日〔『歌劇』、宝塚少女歌劇団、1933年1月、154号〕 - 1980年2月12日、享年68)とは元宝塚歌劇団花組主演娘役クラスの人物である。 以前の芸名は、万葉集で大伴家持が詠んだ久邇京讃歌に因んだ久邇 京子(くに きょうこ)であったが、当時「久邇」の文字が皇族の久邇宮家と同じであるという指摘があり、「幾久しく美しくあれ」の意味をこめた「久美」に改名した経緯があった。 本名は萩原 貞子(旧姓:中村)。 出生地は大阪府大阪市西区〔『寳塚』平井房人著、啓方閣、1934年10月5日、P169、P175〕、死没地は東京都港区。 愛称は本名の貞子から、サァちゃん〔『わが青春の宝塚』葦原邦子著、善本社、1979年3月8日〕。 ==来歴== 1930年、大阪府立市岡高等女学校(現・大阪府立港高等学校)卒業後に、宝塚音楽歌劇学校(現在の宝塚音楽学校)に入学して、宝塚少女歌劇団(現在の宝塚歌劇団)に入団。宝塚歌劇団20期生の同期生に宇知川朝子、尾上さくら、霧立のぼるらがいる。当時は「入学=入団」で学校と劇団は一体であった。 イタリア人教師ルビニ―(イタリア語)、白系ロシア人教師カラスロワ(フランス語)などから声楽の指導を受け、1931年に初舞台を踏む。当時は声楽専科であったが現在の組分けが出来ると花組に所属。 その頃レビューの新鋭となった白井鐡造は『ジャンヌ』(古谷幸一作曲 6年3月)、『ライラック・タイム』(高木和夫作曲 同年10月)というように作品を生み出し、台頭してきた葦原邦子、宇知川朝子、秋風多江子、二条宮子、とともに育て上げられた久美京子は白井鐡造レビューの全盛期に主演が出来る娘役に成長した。〔『宝塚歌劇五十年史』 宝塚歌劇団 昭和39年5月1日発行〕 歌劇『パリゼット』(1932年)ではジョセフィン、『ブーケ・ダムール』(1932年)のマリネット役(当時は久邇京子)、〔『寶塚少女歌劇廿年史』 寶塚少女歌劇団 昭和8年7月17日発行〕『ジャンヌの扇』(1933年)では春日野八千代の相手役のジャンヌを演じた。そして『花詩集』(1933年)では『野菊の歌』を歌う楚々としたアンナ役を演じた。 歌劇『花詩集』は『パリゼット』に次いで評判になった作品で、1933年8月、9月、10月と三か月、宝塚で上演された。それ迄の白井鐡造の作品は外国名前の片仮名ばかりであったが、この時初めて日本字の題名『花詩集』を付けた。この歌劇は花をテーマとしたレビューで『野菊の歌』『鈴蘭の歌』『マロニエの歌』などの歌が沢山ある。当時のオールスター出演の豪華なもので、一月公演は勿論、興行不振と言われる二月の続演も大入り満員であった。東京宝塚劇場の初開場は1934年1月1日で、この『花詩集』で杮落とし興行をした。この頃が宝塚レビュー黄金時代と言われ、戦争が始まるまで宝塚歌劇は毎月上京、一年中東京公演をしていた。〔『宝塚と私』 白井鐡造著 中林出版 1967年5月10日〕 『ウイナーメーデル』(1934年)は白井鐡造得意のドイツ青春もので、葦原邦子のフリッツの相手役ルイゼを演じた。同年10月公演『野すみれ』ではジュリアを、 歌劇『マリオネット』(1935)では美空暁子(改名後は南美江)の相手役クリスチーヌ、『たからじぇんぬ』(1937)では小夜福子の相手役セリメーヌを演じた。 翌1938年3月公演『寶塚フォリーズ』でジャネット、8月公演『三つのワルツ』のカステリを演じた後、『第一回ヨーロッパ公演』に参加した。〔『宝塚歌劇五十年史 別冊』 宝塚歌劇団 昭和39年5月1日 〕 公演は1938年10月2日神戸港出帆~1939年3月4日神戸港帰着というスケジュールで、小林米三団長のもと、30名の選抜メンバーがヨーロッパ各地を巡った。〔『宝塚歌劇80年史』 宝塚歌劇団 1994年9月9日発刊〕 1939年、東京公演『想ひ出のアルバム』では『お夏笠物狂』のお夏を演じて宝塚歌劇の大作家久松一聲に絶賛される。同年『日本美女傅』と『歌舞伎絵巻』で静御前を演じた。 1940年、人気絶頂の中、結婚のため宝塚歌劇団を退団。 2014年、『宝塚歌劇の殿堂』に殿堂入りする。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「久美京子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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