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元素(げんそ、・)は、古代から中世においては、万物(物質)の根源をなす不可欠な究極的要素〔広辞苑 第五版〕〔斉藤(1982)、pp.22-24、1.3原子と元素〕を指しており、現代では、「原子」が《物質を構成する具体的要素》を指すのに対し「元素」は《性質を包括する抽象的概念》を示す用語となった〔〔ニュートン別(2010)、pp.12-13、原子と元素はどうちがうのか?〕。化学の分野では、化学物質を構成する基礎的な成分(要素)を指す概念を指し、これは特に「化学元素」と呼ばれる〔。 化学物質を構成する基礎的な要素と「万物の根源をなす究極的要素」〔『広辞苑』岩波書店〕としての元素とは異なるが、自然科学における元素に言及している文献では、混同や説明不足も見られる〔例えば、「図解入門 よくわかる最新元素の基本と仕組み」。「四元素論」をアリストテレスに帰着させ、アリストテレスを批判している。〕。 == 概要 == 古代から中世において、万物の根源は仮説を積み上げる手段で考えられ、その源にある不可分なものを「元素」と捉えていた〔斉藤(1982)、pp.22-24、1.3原子と元素〕。ヨーロッパで成立した近代科学の成立以降、物質の基礎単位は原子、とする理論が構築されてからは、原子は「物質を構成する具体的要素」、元素は「性質を包括する抽象的概念」というように変わった〔〔ニュートン別(2010)、pp.12-13、原子と元素はどうちがうのか?〕。 《原子》は構造的な概念であるのに対して、《元素》は特性の違いを示す概念である〔斉藤(1982)、pp.9-22、1.2近代科学と元素〕。具体的には、各元素の差異は原子番号すなわち原子核に存在する陽子の数(核種)で区分される。したがって中性子の総数により質量数が異なる同位体も同じ元素として扱われる〔。これに対し原子は中性子の個数を厳密に捉える。したがって、元素とは原子の集合名詞ということもできる〔。電子の増減によって生じる状態であるイオンは、原子が電荷を帯びた状態として考えられる〔ニュートン別(2010)、pp.14-15、原子は電子を出入りさせイオンとなる〕。英語 "element" は「根本にあるもの」を意味する。他の用例では電気回路の「素子」も同じ単語が用いられる〔。 いろいろなモノが一体何からできているのかという疑問と考察は洋の東西を問わず古代からあり、物質観・自然観・世界観と関連づけながらそれぞれの文明圏で体系がなされた。それらが「火」「水」「土」など自然の現象から抽出された少数の「元素」であり、宗教と関連づけられることもあった〔斉藤(1982)、pp.2-9、1.1昔の物質観〕。物質の根源が(現在に似た方向で)体系づけられたことはアイルランドの自然哲学者ロバート・ボイル(1627年–1691年)に始まるといわれる(彼の考え方が後の科学者〔「科学者」という用語が造語され、概念が用いられるようになったのはあくまで1833年のことである。〕に共通認識として広がることになった)。彼は実験・測定・分析を重視し、それらの結果から「これ以上細かく分けられない物質」を元素と定義した〔。以後、様々な考察とそれを裏付ける実験が行われ、元素を「粒子」として捉える今日の元素観および原子論が確立された〔。 元素の性質は最外殻電子(価電子)に大きく影響されるため、同様な性質を持つ元素は元素の族(元素群)として、周期表においても族(周期表の列)や系列として纏められている〔ニュートン別冊(2010)、pp.34-35、メンデレーエフの正しさは、原子構造で証明された〕。現在、元素は118種類が知られている。このうち114個は国際純正・応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry, IUPAC)から正式名称が与えられ、113および115、117、118番目の4個は各国の研究機関から合成に成功したという報告がなされた〔ニュートン別冊(2010)、pp.70-74、周期表の元素が112個にふえた〕。なお、元素は173番目まで存在可能との説も唱えられている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「元素」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Chemical element 」があります。 スポンサード リンク
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