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陸戦型ガンダム(りくせんがたガンダム、Gundam Ground Type)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ」の一つ。初出は、1996年に発表されたOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』。 『機動戦士ガンダム』に登場する地球連邦軍の試作機「RX-78 ガンダム」の規格落ち部品を基に少数生産された機体で、用途を陸戦に限定することでRX-78とほぼ同等の性能を得ているという設定である。ほかのガンダムタイプにはあまり見られない「量産型」としての設定も特徴で、初期は「量産型ガンダム」と呼ばれていた(詳細は後述)。 『第08MS小隊』劇中では、主人公シロー・アマダ率いる第08MS小隊所属の3機が登場し、のちにシロー機は現地改修型である「ガンダムEz8」へと改造される。のちの漫画やゲームなどのメディアミックス作品にも、主要人物の乗機として描かれている。 メカニックデザインは大河原邦男。 本項目では、ブルーディスティニーシリーズなどの派生機の概要も記述する。 == 機体解説 == 一年戦争時、地球連邦軍はV作戦においてプロトタイプガンダムがロールアウトした段階ですぐさまRX-79計画に着手した。ジオン公国軍のMSの活躍により急速に前線を後退せざるを得なくなった地球連邦軍は、一刻も早いMSの量産化と投入が求められていた。一方、試作機であるRX-78-2 ガンダムに代表されるRX-78は生産性を度外視した非常に高性能な機体であったため、その性能を発揮するための各パーツの品質管理は厳しいものとなり、要求スペックに満たない規格落ち部品・使われなかった不採用部品が大量に発生することとなった。 連邦陸軍省〔UCHGでは陸軍省所属となっているが、UCHGとHGUCのコラボ企画の地上戦セットを含むそれ以外のメディアでは殆どが宇宙軍所属表記となっている。ただし陸軍省が開発したという点は同じである。〕は密林や山岳地帯などのこれまでの戦闘車両や航空機の運用が難しい地形においてMSの優位性を示すことができると考えたが、連邦軍のMS計画の本命であるRGM-79 ジムの量産にはまだ時間がかかると判断し、これらの余剰パーツを流用して臨時に量産機を計画することとなった。これが量産型ガンダムともよばれる本機である。そのため宇宙戦闘用の装備はすべて取り外し、完全な陸戦用の機体として再設計されている。 戦時急造された本機だが、外観は新たにデザインされており、RX-78の意匠を残しているのはカラーリングと頭部のみで、それすらも完全に新規設計されていた。オリジナルのRX-78と全体的には似ているものの、実際にRX-78の規格落ち部品が流用されていたのはジェネレーター(熱核融合炉)等の内蔵動力及び個々の回路やアクチュエーター等の機体を構成する最小単位のパーツであって、装甲材や機体フレームといった機体の外観・デザインを決定する要素は陸戦型シリーズ専用ラインで製造されていた。これは当初から陸戦専用、及び少数ながらも量産を前提としたためであり、量産をまるで考慮していなかったRX-78を無理に増産するよりは、多少の手間をかけてでも新規設計した方が少しでもコストと期間の短縮になると判断された結果である。そのため、RX-78の、加工の難しい新素材ルナ・チタニウム製ではあるが優雅な曲面を多用していた装甲板は、殆どが生産性を重視した直線主体のものに改められた。また、連邦軍にとって慣れないMSを地上で運用する必要から、整備性や運用面なども強く意識した設計となっている。 MSは直立姿勢で高さ18mに及ぶ搭乗機器であり、無重力の宇宙と違って日々の整備からパイロットの搭乗まで非常に負担の大きいものであった。これらが考慮され、後述する地上運用に必要な各種装備や整備のための無数のアクセスハッチ、内部空間などを設計に盛り込んだ結果、体形もRX-78やRGM-79のスマートなラインとは似ていない、がっしりとした印象を持つ物となった。本機の廉価版である陸戦型ジムも、デザインが簡略されていながらも本機とほぼ同じ意匠のパーツが複数見受けられ、重厚な体型も共通している。 このことから、純粋なRX-78 ガンダムの量産型と呼べるものはあくまでRGM-79 ジムであり、RX-79 陸戦型ガンダムは一部パーツ流用によるRX-78の亜種、さらにそこから派生した量産機がRGM-79 陸戦型ジムであると言える。 陸戦型ガンダムは試作品の試験落ち部品の有効活用を兼ねていたため、主力戦闘部隊向けの兵器でありながら僅か20機程度という極端に小規模な少数量産にとどまっているが、計画当初、RX-78の余剰パーツを使い切った後も、同じフレームと装甲材に新規のダウングレード部品を組み合わせた”廉価版”の量産が予定されていた。陸戦型専用の製造ラインを用意してしまっていたので、ある程度の部品を作らないと採算が採れないという、現実的な事情による。採算度外視のRX計画とはいえ、戦時中ということもあり、少しでもコストと時間を有効活用して兵器の数を揃えようという思惑である。その後の連邦軍MS量産計画の見直しに伴い、同計画はRGM-79 陸戦型ジムの少数量産へ移行した。そのため補修用部品はパーツそのものの希少性から不足しており、中でもルナ・チタニウム製の装甲パーツにおいて特に顕著であり、実質的に保守用の予備部品は無いに等しい状況であった。 正規品での補修ができない状況も多数見受けられたが、性能は劣るものの構造が共通している陸戦型ジムの補修パーツや撃破したザクなどジオン製MSの部品を含めたジャンク品を流用して修理されることも多く、多くの現地改修型を生み出す要因ともなった。後述の、中破した機体を改修したシロー機のEz8もその1つであり、アンテナ、武装の小改修の他、やはり不足していた部品の代用として、陸戦型ジムの予備パーツの他、撃破したザクのパーツまで使用していた。胸の外側装甲パーツとして、ザクIIの右肩シールドを2枚並べて使っていたという裏設定があり、実際にその部分だけ丸みを帯びた胸部装甲を持つデザインラフまで描かれていた。また、カレン機はアッガイとの戦闘で失った機体頭部を丸ごと陸戦型ジムの物に代えていた。友軍からはジム頭と呼ばれていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「陸戦型ガンダム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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