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光学異性体(こうがくいせいたい)は、主に有機化学で用いられる用語である。"optical isomer" の訳語で、立体異性体の種類を表すが、IUPACでは使用が推奨されておらず、代わりに「エナンチオマー」や「ジアステレオマー」を使うことが推奨されている〔IUPAC Recommendations 1996 ;Basic Terminology of Stereochemistry(外部リンク参照)〕。関連する光学的な現象の詳細については、「キラリティー」および「旋光」(光学活性)の項を参照されたい。 生化学や天然物化学、また薬学では、有機化合物の光学異性体の区別が重要になる。生体を構成する物質に異性体が多かったり、異性体の違いにより生理活性が異なるためである。 == 用語の変遷 == 歴史的には最初、互いに大きさが等しく正負が逆の「旋光性」(光学活性)を示す一対の化合物を互いに「光学異性体」と定義した。そして旋光性の原因が分子のキラリティーによることが判明すると、「鏡像異性体」、「対掌体」、または「エナンチオマー」の同義語として使われるようになった〔日本化学会(編)「標準-化学用語辞典-第2版」丸善 (2005/03, 初版1991/03)〕。厳密に言えば「光学異性体」は光学活性という観測可能な物性に由来する用語であり、構造に由来する用語である「エナンチオマー」とは別の定義なのだが、実際上はほとんど区別せずに使われてきた。また不斉炭素原子を複数持つ分子の異性体である「ジアステレオマー」の概念が登場すると、エナンチオマーとジアステレオマーとを合わせて「光学異性体」とする使い方もなされるようになった〔長倉三郎、他(編)「岩波理化学辞典-第5版」岩波書店 (1998/02)〕〔化学大辞典編集委員会(編)「化学大辞典-第3版」共立 (2001/09, 初版1960/09)〕。だが今でも「光学異性体」を「エナンチオマー」の同義語として使っているテキストの方が多い。日本の高校の化学では未だに「光学異性体」という用語を使っているが、高校課程ではジアステレオマーがまだ扱われないため、このような曖昧性はあまり問題にはならないようである。 光学異性 (optical isomerism) という言葉は結晶構造に由来する旋光性に関して使われることもある〔長倉三郎、他(編)「岩波理化学辞典-第5版」岩波書店 (1998/02)〕。これは結晶格子の配置に由来する旋光性であり、特に「左右像 (enantiomorph)」と表される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「光学異性体」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Enantiomer 」があります。 スポンサード リンク
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