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全能の逆説(ぜんのうのぎゃくせつ)、全能のパラドックス は、全能である存在(以下全能者)に論理を適用する際にうまれる哲学上の逆説の一つである。 == 逆説 == 基本的な問題は、 :※全能者は自ら全能であることを制限し、全能でない存在になることができるか である。(訳注: 自分を全能でなくすことが不可能なら、その全能者には不可能なことがあることになるので、全能とはいえない。一方自分を全能でなくすことが可能ならそれを行った時点で全能者は全能ではなくなってしまう。) 一部の哲学者らはこの論議をもって全能者が存在しない証左とした。別の哲学者らはこの逆説を<全能であること>という概念(以下全能性)についての誤解ないしは誤用からきているとしている。また、中には、<ある存在は全能であるか否かのどちらかでしかない>と仮定し、さまざまな段階の全能性があり得ることを無視したことからくる偽の逆説であるとする哲学者もいる (Haeckel)。 しばしば、この逆説はアブラハムの宗教に於ける神(英語でいう大文字のGod)の語をもって記述されるが、全能者をそれと限る必要はない。中世以降、哲学者らは様々な方法でこの逆説を書いてきた。古典的な例として、 :※全能者は<重すぎて何者にも持ち上げられない石>を作ることができるか という表現も知られている(訳注: そのような石を作れないなら全能ではない、作れるならその石を持ち上げられないのでやはり全能ではないことになる)。この表現にはわずかながら不備があるが(#哲学者の回答にて後述)、有名でもあり、この逆説が分析されてきた様々な方法を描写するのに都合がよい。 全能の逆説を厳密に分析するためには、全能性の精密な定義が必要である。全能性の定義は文化や宗教によって異なり、哲学者同志でも異なる。通常の定義は「なんでもできる」 all-powerfull であるが、これでは力不足である。例えば、全能性を<いかなる論理の枠組にも束縛されずに動けること>と定義してしまえば、この逆説は成立させようがない。この問題に対する近現代の取り組みは、意味論の研究、即ち言語--従って哲学も--全能性そのものを有意味に記述することができるのだろうか、という点を含んでいる。しかし、はじめから全能者がすべてのことができると定義すれば、この文に左右されずその石を持ち上げられないことも、一つの能力になる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「全能の逆説」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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