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利根川東遷事業(とねがわとうせんじぎょう)は、利根川の付け替えにかかわる一連の河川改修。 狭義には、文禄3年(1594年)に行われた会の川の締め切り工事から承応3年(1654年)の赤堀川通水までを指すが、広義には、足尾鉱毒事件後に行われた明治時代後期までの一連の工事を含む。 == 目的 == 利根川東遷事業は、江戸を水害から守る、流域の沼や湿地帯からの新田打ち出し、水上交通網の確立、利根川を北関東の外堀とし、東北諸藩に対する備えとする、といった目的を持っていると解説されることが多い。また、徳川家康の命を受けて行われた工事が利根川東遷事業の発端となったといわれている〔国土交通省 日本の川 関東地方の河川情報 利根川の歴史 〕。 しかし、土木史では歴史的経緯から「利根川本流を東に付け替える」ことを当初から目的として行っていたかについては疑問が呈されている〔小出博、1975、『利根川と淀川-東日本・西日本の歴史的展開』、中央公論社〕。改修の目的には水上交通網の整備などの利水面が先んじてあり、利根川の治水は中条堤をその要としていたが、天明3年(1783年}の浅間山大噴火後、中条堤を要とする治水システムの機能維持の意味を持つようになり、明治時代に入ってからの足尾鉱毒事件の発生によって利根川本流の「東遷」が明確化、その後大規模改修が始まる〔大熊孝、1981、『利根川治水の変遷と水害』、東京大学出版会〕。そして、明治43年(1910年)の大水害の後中条堤を要とした利根川の治水システムは破綻、洪水時下流への流量は増加したが江戸川への流入制限が強化され、結果「東遷」が確定、現在に至るとされる〔大熊孝他、2007、『首都圏の水があぶない』、岩波書店、ISBN 978-4-00-009406-1、2-12頁〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「利根川東遷事業」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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