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新弟子検査(しんでしけんさ)は、大相撲力士を志望する者が受検する検査のこと。合格すると、日本相撲協会に登録され正式な力士として認められる。力士志望者の最初の関門といえる。因みに正式な力士になる前に部屋で過ごしている弟子を見習と呼び、過去の記録には検査に辿り着けなかった力士の最高位として残っている場合がある。 ==概要== 検査は毎本場所前に行われる。受検資格は * 中学校卒業以上である(各国の義務教育を終了している)こと * (検査日において)年齢は23歳未満であること とされており、体格検査と内臓検査が行われる。体格は身長167cm以上、体重67kg以上である(なお、就職場所と言われる3月場所は中学卒業者に限り身長165cm以上、体重65kg以上となる)。2012年3月場所までは身長173cm以上、体重75kg以上という基準でこの基準に満たない受検者は第二検査(後述)を受検することになっていた。2015年3月場所までは中学卒業者の基準緩和は身長のみだった。 第二検査が存在していたときには、この検査を『第一検査』と呼ぶこともあった。 合格すれば、合格した場所の前相撲から相撲をとる。幕下付出および三段目最下位格付出を承認された者に対しては、体格は不問とし、体格検査が免除されるために合否判定は健康診断のみで行ない、合格すれば幕下格あるいは三段目格で本場所に出場する。 体格検査と同時に行なわれる健康診断で不合格になる新弟子も出ることがあるが、次の場所までに治して再検査を受けることは可能である。例えば今野満也(後の琴の若)は最初の血圧検査で174を出して不合格となったが、翌場所には合格している。この健康診断は精度に問題があるという指摘もあり、相撲作家の石井代蔵は1980年前後の新弟子検査を見て「入門前から糖尿病の新弟子がいる」と証言している。 以前に、身長が足りず不合格になった大受や舞の海は頭にシリコーンを埋めて身長を高くして合格(現在では健康への悪影響を危惧して禁止されている)、そして舞の海がきっかけで幕下付出適用者の体格基準が廃止された。また、兄弟子に頭を殴ってもらいこぶを作ったり、床山にすき油で髪を高く盛り上げてもらい受検する者も多くいた(舞の海も検査当時は「兄弟子にお願いして頭を殴ってもらいこぶを作り、床山さんにお願いして髪を固めてもらった」と答えている)。過去には髪の中にコルクを隠して受けた新弟子もいるが、検査担当の親方に見つかってしまい不正行為で不合格になった(翌場所は髪を持ち上げる方法で合格)。さらに、髪を盛り上げても基準に届かないため苦肉の策としてかかとを大きく浮かす形で背伸びを敢行し合格を果たした受検者もいる。新弟子検査に合格するために髷を結ってその分身長を稼ぐという手段も報道上で言及されている。また体重不足の新弟子が大量に水を飲んで体重計に飛び乗るのは昔から多用される方法である。親方が体格不足の新弟子に対し目溢しで合格の判を押すことはよくあることで、特に自分の弟子の検査を担当する時には多かった。体重不足の新弟子に対し、検査担当の親方がこっそり体重計に足を乗せた例や廻しに鉛を仕込んで体重を誤魔化した例もある。 1944年には太平洋戦争の激化の影響を受けて新弟子が極端に不足する状態に陥ったため、この頃は身長や体重が当時の規定以下でも素質や健康の面を考慮されて入門を許されるという柔軟な規定の運用が為された。また、昭和戦前以降しばらくは検査が場所前、場所後にも実施された。 1956年から57年にかけて、体格基準に満たない新弟子を自費養成力士として初土俵を踏ませることが認められた時期があった。これは、幕下昇進か、再検査合格を条件としたものだったが、すぐに廃止されている。これを適用された力士の中に北の富士勝昭や浅瀬川健次がいる。 2008年11月場所以降は厚生労働省の指導により外国出身力士に対して初土俵前に興行ビザの取得が義務付けられたため、外国出身力士の初土俵は新弟子検査の翌場所となる。この場合は新弟子検査に合格してから初土俵までの期間は在位場所数には含まれない。興行ビザ取得後に初土俵を踏むように変更された後の初めての受検者は東龍と貴ノ岩(共に2008年11月の新弟子検査を受検)である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「新弟子検査」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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