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ズームカーは、南海電気鉄道が南海高野線の橋本駅~極楽橋駅間の山岳区間への直通運転のために製造した電車の通称。 なお、難波から高野線の山岳区間へ直通運転することを大運転と称する。 ==概要== ズームカーの名の由来には二つの説が存在する。一般的には、平坦区間から急峻な山岳区間までにおいて、広範囲に速度と牽引力を制御できる性能を備えた車両を、広角から望遠まで、広範囲に画角を変えられる、カメラのズームレンズに例えたと説明されることが多い。他に、在来車よりも優れていた加速性能や急勾配を力強く上る様子を、航空機が速度とひきかえに急角度で上昇する機動を指す「ズーム上昇」に例えたという説もある(レンズの語源が、航空機の機動である)。「天空」のパンフレットおよび車内放送では前者の説を紹介している。 高野下駅から極楽橋駅までの区間は50‰の勾配や半径100m級の急カーブが続くため、この区間に乗り入れる車両には大きな牽引力が要求される。ズームカーは平坦区間を100km/h以上で高速走行、山岳区間は低速で力強く走行できる性能を持っている。最高速度と山岳区間の定速走行速度の倍率は3.3~3.6倍に設定されており、このような設計の車両は他に類を見ない。なお、22001系までは山岳区間の定速走行速度30km/h~最高速度100km/h、30000系以降の特急車及び2000系以降の一般車両は同33km/h~120km/hで設計されている。 本来は、単に「ズームカー」といえば1958年に登場した21001系電車のことを指す。その後登場した22001系電車は「通勤ズーム」、または「角ズーム」と呼ばれ、21001系電車は車体形状から「丸ズーム」とも呼ばれるようになった。2000系電車も「ステンレスズームカー」のほか、「ハイテクズーム」「VVVFズームカー」とも呼ばれる。 特急用の20001系電車は「デラックスズームカー」と呼ばれたが、1983年に登場した30000系電車以降は、個々の形式を指して「ズームカー」と呼ぶことは少ない。 なお、ズームカーは急勾配での性能を確保するため全車両が動力車である。ただし、かつて存在した20001系電車のみ、1両だけ付随車が存在した(20001系電車の項を参照)。車両重量を軽減するためと、山岳区間の急カーブによる車両限界の関係で、一般車両の場合には、片側2箇所の客用扉、車体長17m級の中型車として製造されており、4扉、21m級の大型車体を標準としている南海通勤車とは規格が異なる。そのため、駅の案内放送や表示器、乗車位置目標では次に到着する列車が2扉車か4扉車かが判別できるようになっているほか、駅掲示用時刻表、ポケット時刻表は各列車の使用車両が一目で判別できるようなデザインになっている(時刻を四角で囲っている列車は2扉車使用、囲っていない列車は4扉車使用)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ズームカー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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