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場の空気(ばのくうき)とは、その場の様子や社会的雰囲気を表す言葉〔林四郎ほか「例解新国語辞典第六版」2002年1月 「空気(くうき)」の項の2〕。とくにコミュニケーションの場において、対人関係や社会集団の状況における情緒的関係や力関係、利害関係など言語では明示的に表現されていない(もしくは表現が忌避されている)関係性の諸要素のことなどを示す日本語の慣用句である。近年の日本社会においては、いわゆる「KY」と称する俗語が流行語となって以来、様々な意味を込めて用いられるようになっている。 「場の」はつけず、ただ「空気」と表現されることもある。 == 概要 == 現在では、集団や個々人の心情・気分、あるいは集団の置かれている状況を指すことが多いが〔福田健『「場の空気」が読める人、読めない人―「気まずさ解消」のコミュニケーション術』2006年 PHP研究所, ISBN 4569654657 での「場の空気」の定義におおむね沿ったもの〕、人によって指し示す範囲は若干異なる。社会心理学では「場の空気」が起こす集団心理の危険性に着目することが多く、ビジネス等ではむしろコミュニケーション能力として肯定的・積極的に解釈することが多い。 「空気」をある種の時代の気分や流行、文化や考え方の比喩として使用する例は古くからあり、夏目漱石は『三四郎』予告で「田舎の高等学校を卒業して東京の大学に這入つた三四郎が新しい空気に触れる」と記している〔「田舎の高等学校を卒業して東京の大学に這入つた三四郎が新しい空気に触れる、さうして同輩だの先輩だの若い女だのに接触して色々に動いて来る、手間は此空気のうちに是等の人間を放す丈である、あとは人間が勝手に泳いで、自ら波乱が出来るだらうと思ふ、さうかうしてゐるうちに読者も作者も此空気にかぶれて此等の人間を知る様になる事と信ずる、もしかぶれ甲斐のしない空気で、知り栄のしない人間であつたら御互に不運と諦めるより仕方がない、たゞ尋常である、摩訶不思議は書けない。」岩波版漱石全集1993.12〕。 社会心理学の観点からとらえた書籍としての初出は山本七平の著『「空気」の研究』(1977年)と考えられている〔山本七平『「空気」の研究』文藝春秋、1977年。〕。山本は教育行政や戦争指導などの事例を挙げ、空気を読むことが時に集団の意思決定をゆがめ誤らせることを指摘し「水を差す」ことの重要性を提示した。 あるハウツー本では場の空気を読む、すなわち場の空気を意識することは暗黙知であり、心理学ではこのような能力を「社会的知能(ソーシャル・インテリジェンス)」と呼んでいる〔内藤誼人『「場の空気」を読む技術』サンマーク出版, 2004年, ISBN 4763195948 p.36〕としている。そのような能力は「EQ」(情動指数、心の知能指数)という呼び方でも知られている。特に対人心理学では、このようなコミュニケーション上の機微を習得可能なもの(=技能)として捉え、社会技能と呼ぶ。つまり、対人心理学においては、対人関係の巧拙を生得的なもの(=性格)としては捉えない。 集団の空気を読まなければ協調はほぼ不可能であるため、社会生活においては重要な能力の一つである。 また、ある側面において日本特有の事象があるとする人もいる。(下記参照) 2007年には、「空気を読めない」を略してKYという言葉が一部のマスメディアで取り上げられる様になり、同年の新語・流行語大賞候補にもなった〔ユーキャン新語・流行語大賞公式サイト 2007年度候補語解説〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「場の空気」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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