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ホスゲン (Phosgene) とは、炭素と酸素と塩素の化合物。二塩化カルボニルなどとも呼ばれる。分子式は COCl2 で、ホルムアルデヒドの水素原子2つを塩素原子で置き換えた構造を持つ。毒性の高い気体である。毒物及び劇物取締法により毒物に指定されている〔毒物及び劇物指定令 昭和四十年一月四日 政令第二号 第一条 二十六の四 〕。 == 用途 == 化学工業分野で重要な化合物であり、1812年に初めて合成された〔生物・化学兵器への公衆衛生対策(世界保健機関)2004年 P130-133 〕。一酸化炭素と塩素から多孔質の炭素を触媒として合成される。ポリカーボネート、ポリウレタンなどの合成樹脂の原料となる。 有機合成分野でもホスゲンはアルコールと反応して炭酸エステルを、アミンと反応して尿素あるいはイソシアネートを、カルボン酸と反応して酸塩化物を与えるなど用途が広い。ただし猛毒の気体であるホスゲンは実験室レベルでは使いにくく、近年では炭酸ビス(トリクロロメチル)(通称 トリホスゲン)が代用試薬として用いられるようになった。この試薬は安定な固体だが、トリエチルアミンや活性炭の作用で分解し、in situ で3当量のホスゲンを発生する。ホスゲンに比べて格段にハンドリングが容易なため、近年使用例が増えている。 また、フロン類(クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン)が加熱される事でも発生するので、特に冬季など暖房器具を使用する時期には中毒事故が発生しやすかった。室内の空気に塩素を含む有機性のガス、あるいは塩素と有機性のガスが存在する場合に、放電式の空気清浄機を使用すると、中毒事故が起こる可能性がある。 毒性が強く、化学兵器(毒ガス・窒息剤)とされている〔遺棄化学兵器の安全な廃棄技術に向けて 日本学術会議 平成13年7月23日 〕〔公益財団法人 日本中毒情報センター 化学テロ・化学災害対応体制(概要) P6 〕。第一次世界大戦では大量に使用された〔窒息剤(Choking Agents、Pulmonary Agents) 国立医薬品食品衛生研究所 〕。旧日本軍では「あお剤」と呼称している〔遺棄化学兵器等(内閣大臣官房遺棄化学兵器処理担当室) 〕。現在の日本では化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律の第二種指定物質・毒性物質であり、同法の規制をうける。詳細は化学兵器禁止条約を参照。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ホスゲン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Phosgene 」があります。 スポンサード リンク
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