翻訳と辞書
Words near each other
・ 境界線上のホライゾン ORIGINAL SOUND TRACK
・ 境界線上のホライゾン 演目披露
・ 境界線上のホライゾンII
・ 境界線上のホライゾンのディスコグラフィ
・ 境界線上のホライゾンの登場人物
・ 境界線上のホラ子さん
・ 境界線上のリンボ
・ 境界群、ボーダーライン群
・ 境界膜
・ 境界要素法
境界解体文学
・ 境界設定問題
・ 境界調整
・ 境界軍
・ 境界領域
・ 境界領域の問題
・ 境界駅
・ 境目
・ 境目トンネル
・ 境目峠


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

境界解体文学 : ミニ英和和英辞書
境界解体文学[きょうかい]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [さかい]
 【名詞】 1. border 2. boundary 3. mental state 
境界 : [きょうかい]
 【名詞】 1. boundary 
解体 : [かいたい]
  1. (n,vs) dismantling 
: [ぶん]
 【名詞】 1. sentence 
文学 : [ぶんがく]
 【名詞】 1. literature 
: [がく]
 【名詞】 1. learning 2. scholarship 3. erudition 4. knowledge 

境界解体文学 ( リダイレクト:スリップストリーム (文学) ) : ウィキペディア日本語版
スリップストリーム (文学)[がく]
スリップストリームSlipstream)は、SFファンタジーなどの非主流文学や、主流(メインストリーム)文学(純文学)といった型にはまったジャンルの境界を越えた、一種の幻想文学もしくは非リアリスティックな文学のことである。伴流文学変流文学境界解体文学とも言われる。
「スリップストリーム」という言葉は、サイバーパンク作家のブルース・スターリングが、1989年7月発行の『SF Eye』第5号の記事の中で作り出した言葉である。スターリングはこう書いている。「……これは諸君をとても不思議な感じにさせる類の書き物だ。20世紀の生活が諸君に感じさせる方法、もし諸君が若干の感受性を持っていればだが」。この言葉を受けて、スリップストリーム文学は「不思議さの小説」と言及されていたが、それは他に広く使われている定義と同じくらいわかりやすい定義である。
たとえば、フィリップ・K・ディックヴォネガットの作品はSFと純文学の境界解体という面がある。『火星のタイムスリップ』のマンフレッドや『スローターハウス5』の時間旅行者ビリーは予知能力を持っているという設定だが、ここでの予知能力は「鋭敏さ」のメタファーと読める。前者の場合はタイトルの「火星」も「タイムスリップ」もメタファーであり、直喩で置き換えるなら「火星植民地のような場所(=たとえば、伝統の薄いアメリカ社会)におけるタイムスリップのような心理状態(=アンテ・フェストゥムと呼ばれる分裂病的な先取り的時間感覚)」と読むこともできる。また、オースターのニューヨーク三部作探偵小説と純文学の境界解体と捉えられる。探偵が人を探すのだが、その人とは自己の投影であり、結局「自分探し」なのではないか、と読める。これらのように、SFや探偵小説などの非主流小説のガジェットを借りつつ、純文学的な思想表現を試みる、というのが(非主流と主流の)境界解体と言われるゆえんである。
『Feeling Very Strange:The Slipstream Anthology』の編集者であるSF作家ジェイムズ・パトリック・ケリージョン・ケッセルは、スリップストリームの中心にあるのは認知的不協和で、恐怖とか笑いとかいう文学的効果をそれほど持ったジャンルではない、と主張した〔 〕。
スリップストリームはスペキュレイティヴ・フィクション(思弁的小説)と純文学小説の狭間に落ち着く。ただし、いくつかのスリップストリームがSFやファンタジーの要素を用いている限りは、すべてがそうだとは言えない。スリップストリーム文学の作品群に共通して認められる要素は、ある程度のシュール、不完全なリアル、またはきわだった反リアルである。スリップストリームとされる作家は、ディックやヴォネガットの他に、SF作家では、J・G・バラードジョン・スラデックトマス・M・ディッシュクリストファー・プリーストなどであり、それ以外では、ポール・オースターマーガレット・アトウッドダグラス・クープランドアンジェラ・カータースティーヴ・エリクソンカレン・ジョイ・ファウラー、ロバート・F・ジョーンズ(:en:Robert F. Jones)、村上春樹、スティーヴ・エイレット(:en:Steve Aylett)、ジャン・ヴィルト(:en:Jan Wildt)、ホルヘ・ルイス・ボルヘスウィリアム・S・バロウズアンナ・カヴァンが挙げられる。マジックリアリズムにおいても、ガルシア・マルケス百年の孤独』はここに含まれる。〔クリストファー・プリースト「アンナ・カヴァン『氷』序文」(『氷』ちくま文庫、2015年、山田和子訳)〕
スリップストリームは「見慣れた光景をいつもと違う角度から眺めたような感覚」を誘発するもので、そういった要素を持つ作品は、文学以外にも音楽、映画、グラフィックノベル、インスタレーションなどにも見いだされる。映画では、『メメント』、『マルコヴィッチの穴』、『10億分の1の男』、テレビドラマでは、『LOST』、『時空刑事 ライフ・オン・マーズ』(:en:Life on Mars (UK TV series))、『The Singing Detective』(:en:The Singing Detective)などが、スリップストリームに位置づけられる。〔
==注==


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「スリップストリーム (文学)」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Slipstream (genre) 」があります。




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.